☆short story☆
□キラ☆きら大作戦っ!
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今日は待ちに待った日曜日。
人生初のデートの日…
『お洋服、よし!
ガバンの中身、よし!
メイク…も大丈夫!!うん。準備完了!!』
一週間前から、
葵ちゃんと練習したメイク。
…と言っても少しだけだけど。
アイシャドウを塗り
アイラインを薄く。
チークをつけて
最後に
ピンクのリップグロスを塗って…
付き合う間、
駅でたまたまあった南沢先輩は
すごく大人っぽくて…すごくカッコよかった。
だから、少しでも先輩に近づきたくて、
誘ってもらったあの日から一生懸命頑張った。
『先輩、少しでもかわいいって思ってくれるといいな…。』
ピンポーン
私はチャイムが聞こえると同時に
家の階段を駆け下りた。
『っ!!わぁ//』
家のドアを開けると、
あの時のような南沢先輩がいた。
…でも、カッコよくも大人っぽい雰囲気の先輩はどこか遠く感じてしまう。
そう思うとすごく悲しくなった。
「…っお、おい!!
どうしたんだよ!??」
急に先輩が私に駆け寄る。
「何、泣いてるんだよ…」
『な、泣いてなん「…バカ」
グイっ
ガシャン
先輩は腕を掴み
家の中に入れ鍵を締める。
『…え、せんぱ「じゃあコレは何なんだよ。」
チュっ
さっきまで涙で濡れていたであろう頬に
キスされる。
「…くだんねぇ事でいちいち泣くな。」
『!??』
「知ってんだぜ、
お前の泣いてる理由。」
『っ!!はぁ…っん…』
それだけ言うと今度は唇にキスされる。
触れるだけじゃなく
唇の周りを舐められる。
「っん、
……ほら、見てみろよ。メイクなんてしなくてもじゅーぶんかわいい顔、してんだろ?」
そう言って下駄箱の鏡に私の顔を映す。
そこには、チークの色が分からなくなるくらい
頬が赤く染まった私が映しだされていた。
もちろんリップグロスの色なんて
微塵も残っていなかったけれど…
***
(ほら名前、さっさと行くぞ…)
そう言うと私の手を引いて玄関を出た。
end