*Novel*

□そんな、優しさ
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「なんだ、ルーシィ。まだいたのか」
「なによ、いちゃ悪い?」
「誰もんな事言ってねーよ、つか、大丈夫か?」

「…なにが」
「なにがって、もうこんな時間だし…いい加減、顔上げろよ。また泣いたんだろ?」

「…だって…」
本から頭を上げた彼女の顔は、涙で濡れていた。
「…この本っ、犬が死んじゃう話でっ、あたし…」
「ったく、ホントにスゲェなルーシィは」
そう言って、彼女の頭を撫でてやる。
「…なん、で?」
「なんつうか、感受性が強いっていうか、本の中でも人の為に泣けるんだなって、」
「………」

「…とりあえず、もう遅いし家まで送る。だから、泣き止めよ?」

「…うん、ありがと//」

俺はそっと彼女の手を引いてギルドを出た。

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