□待ち人
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(!)神威目線 




うさぎに一時的な別れを告げた後俺は鳳仙の旦那の弟子になった

後々、春雨第七師団団長を任され部下も持った


強さだけを求めてここまで来た

もう俺には強さだけでいい

うさぎは忘れよう

今は強さだけが俺の求めしモノ‥



だからごめんうさぎ‥。


「俺は弱い奴に用は無いんだヨ」



「ん?どうした団長」


どうやら独り言がこぼれたみたいだ

「何でもないヨ、それより阿伏兎ー地球はまだなの?」

「もうそろそろだ。ほら見ろ。あの蒼く光ってる星が地球だ」

「へー、強い奴いるのかな」

「俺達は鳳仙の見張りに来ただけだぞ喧嘩しに地球に来たわけじゃねースットコドッコイ」

「はいはい」

「それと鳳仙と喧嘩しようなんて考えて「はいはい」


「ったくダメだなこりゃ、」



地球につき吉原の町を探査してみた

ベタベタと香水の匂いがキツイ女共がごちゃごちゃと寄ってくる

「いい顔してるじゃない!寄ってきなよ」

「はあ?このアマ何いってんの?私のとこにきんしゃい」

「いや私よ!」


あー五月蝿いな。


「あのずば抜けて美人な娘にお前いくら貢いでるんだー?」


通り過ぎていった人間の会話に何故か少し興味が出た


「ずば抜けて美人ってどんな奴なんだい?」

キツイ匂いの遊女達に問う


「あ〜きっとあの子の事じゃない?」

「あーあのちょっと人間離れした顔立ちの?」

「絶対整形よねー」


早く答えろヨと苛立ちながらもそいつの店に案内してもらった

「いらっしゃいませ」

「人間離れした顔立ちの女に会わせてくれるかい?」


「120分*******円となります」


あり?結構な値段じゃない?
阿伏兎に金預けてるし持ってないな


「払う前に部屋の番号は?」

「部屋のドア付近にうさぎって名前が貼ってあります」

‥‥うさぎ‥?


心臓が突き刺されるようだ‥

久しぶりに聞いた名前

あの頃の事が鮮明に頭に焼き付く

面倒臭かったから従業員を殺し部屋を探した


‥うさぎ


‥見つけた


ドアの前に立ち深呼吸をしドアを開け‥

「あっ‥んん//イッちゃあ」



気づいたら見知らぬ部屋の中で
目の前には血を流して死んでいる男



そして



うさぎがいた




うさぎは目を丸くして震えていた


「‥‥‥‥‥かむい‥」


「やあうさぎ、大人になったんだネ」


身体が勝手に動く‥


俺はうさぎの首を絞めていた


違う‥辞めろ‥抑えろよ‥
あれ?なんで俺泣いてるんだろ

目の前で苦しんでいるうさぎ


しっかりしろ俺!



やっと身体が言うことを聞いた


うさぎの裸をこんな形で見たくなかった
うさぎの初めては俺が奪いたかった
うさぎを触るのは俺だけが許されること

なのに‥


「神威‥何で泣いてるの」

「そんなのいいからさ服着て」

情けない


見慣れぬ服を着ているうさぎは綺麗だった

「似合うかな?着物って言うんだって」

照れながら笑ううさぎ


忘れようとして努力してた

うさぎへの感情を抑えてた

会いに行きたくてもずっと

我慢して気持ちを押し殺してきたのに

これ以上ここにいたら俺は弱くなる
それは自分が許さない

ここにいたのはうさぎじゃない
ただうさぎに似た女だっただけだ

ここから離れよう


「ずっと神威に会いたかった」

胸が苦しくなる言葉だった

強さとうさぎ

今の俺にはどっちが必要?

「迎えに来てくれたの?」










「‥‥‥‥‥‥‥‥‥違うヨ」

「え?」


今俺が必要なものは強さだけだ



「イイ女がいるっぽいから来ただけ。その男は邪魔だから殺したんだヨ」

「‥‥嘘でしょ?神威」

涙が溜まっているうさぎに冷たい視線で重い一言





「どーでもいいからさっさとヤラせろヨ。遊女なんだからさっさと股開いてくれないかな」


「‥‥神威?」


うさぎは大粒の涙をポロポロ溢した

昔から弱いとこは変わってないネ‥

ぐずぐずしているうさぎを無理矢理脱がせ犯した


「私のこと愛して」


行為の最中に言われた言葉

その言葉を無視していたけど



本当は‥‥‥



隣で気絶しているうさぎの頭を撫でる


「愛してる」


昔別れた時みたく軽くキスをしその場を立ち去った





陽もない鉄の空を見上げながら気づけば涙が止まらなくなっていた

「‥‥おい、団長?」

「阿伏兎ーさっき幼なじみに会ったんだ」

「妹の次は幼なじみかい」

「遊女やってたヨ」

「‥‥‥」

阿伏兎は気づいてるんだな


きっと‥‥


「愛ってどうしたら消えるのかな」


俺がそいつを愛してることに‥



「団長らしくねーな」

「早く終わらして帰ろうヨ」








俺は強さだけでいいんだ

そう心に言い聞かせた





でも本当の強さを手に入れたら










今度はちゃんとうさぎを迎えに行くから







待ち人

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