悪ノ王子〜哀しく輝く青ノ薔薇〜
□〜序章〜
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〜あくのおうじのおはなし〜
むかしむかし。だれもしらないたいりくに、みっつのくにがありました。
うみのくにと、がくのくにと、もりのくにというなまえでした。
あるひ、うみのくににごにんのおうじさまがうまれました。
けれど、おうさまはこうけいしゃひとりをのこしてほかのおうじさまをべつのひとにあげてしまいました。
あかいめのおうじさまは、がくのくにのまどうしのところ。
みどりのめのおうじさまは、もりのくにのおうさまのところ。
むらさきのめのおうじさまは、おきにいりのたいちょうのところ。
きいろいめのおうじさまは、おきにいりのめしつかいのところ。
やがて、おうじさまもおおきくなり、じゅうねんのつきひがながれました。
そこには、あおいめのおうじさまがうみのくにをおさめていました。
そのそばには、きいろいめのめしつかいがつかえていました。
けれど、みんしゅうはぜいたくばかりするおうじさまをきらっていました。
そして、おうじさまをあくのおうじとよんでいました。
あるひ、おうじさまのもとにてがみがとどきました。
それは、がくのくにからの
てがみで、ないようはどうめいをはきする、ということでした。
それは、がくのくにのあかいめのおうじさまがもりのくにのみどりのめのおうじさまをすきになってしまったからでした。
いかりくるったおうじさまは、そのひのうちにもりのくにをほろぼしました。
そのことをきいたみんしゅうは、ついにおこりかくめいをおこしました。
そしてあくのおうじさまはつかまり、だいすきなおやつのじかんにくびをきられました。
そしてうみのくににへいわがおとずれましたとさ。