月夜のwizard vampire

□2.絶望
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智「……んっ……」

頭がふらふらする……ここは一体……

辺りの様子を見ると、俺らは屋根のない牢屋みたいなところに入れられていた。

出入口は固く鍵で閉ざされ、真っ正面にはなにか高台のようなものがそびえていた。

そのうち、周りの人間も起き出したのかあちこちから声が聞こえてきた。

中には、鉄格子の出入口を力任せに叩く者もいた。

しかし、それでも助けは誰ひとりこない。俺は、だんだん恐怖が押し寄せているのがわかった。

すると、次第にガヤガヤと声が聞こえてきた。

助けがきた……しかし、そう思えたのはつかの間の出来事だった。

?1「おお、こいつは素晴らしい……」

?2「こんなにいれば、しばらくは魔力補給には困らんな……」

?3「まだ入ってはいけないのか?早く入りたいな……」

……この世に存在する生物ではないということは、瞬時にわかった。

……なにをされるんだろう。俺たちは……まさか、食べられてしまうんじゃ……

?4「皆のもの!静粛に!」

高台から声がする。高台を見上げてみると、そこには黒いマントを羽織ったカッコイイ人が立っていた。

?4「これより、ショウ王子がお見えになられる!王子から指示があるまで、今しばらく待たれよ!」

途端に、高台の奥の扉が開き……王子らしき人が、姿を現した。
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