月夜のwizard vampire
□4.儀式
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それから、俺はショウからいろんなことを教わった。
この世界は八つに分かれていて、それぞれの国特有の魔法があること。火、木、水、風、闇、光、土、雷の属性に分かれていること。それをまとめるのが魔帝王家で、一番有力なのが火属性、木属性、水属性であること。そして、それぞれの国の王家と魔帝王家はすべての属性魔法を使いこなせ、ショウとマサキが一番強力な魔力を持っていること。
魔法吸血鬼に−それも、魔帝王家の者に迎え入れられることが決まっていた俺は、そのためにたくさんのことを学んだ。
その分、城にいた人達の俺に対する振る舞いは随分と手厚くなっていた。
民衆はまだそのことを知らない。儀式のあとに、ショウ自身から民衆に知らせるらしい。
もちろん、儀式もひっそりと行われる。ショウと魔神官と俺の三人だけで。
智「そういえば……俺はなんの属性になるの?」
ふと気になった俺は、ショウに質問してみた。
ショウ「智は王家人になるわけだから、属性は全部使いこなせるようになるよ。その中でも特に強力に使いこなせる属性魔法もあるんだけど……儀式が終わったあとじゃないとわかんないんだよな。」
智「ふうん……ちなみにショウはなんの属性魔法が得意なの?」
ショウ「俺?俺は火属性魔法。マサキが木属性魔法が得意でさ。ちなみに、ジュンと……マサキの執事、カズナリだっけ?あいつら、かなりすごいよ。普通は魔法はひとつの属性しか使えないのに、あいつら三つも使えるんだ。ジュンは闇と土と風で……カズナリが光と雷と水。」
智「へえ……」
ショウ「智はなにが強力になるんだろうな。まさか全部だったりしてな。」
智「そ、そんなわけないよ!俺、そんなに頭よくないし!」
ショウ「あはは、冗談だよ。じゃあ、今日はここまでな。」
そう言うと、ショウはゆっくりと立ち上がった。