月夜のwizard vampire

□6.拉致
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智「ん……」

寒さを感じて目を覚ますと、辺りは薄暗かった。

見回してみると、そこは小さな窓がひとつと粗末なベッドがぽつんと置かれているだけ。

?「起きました?」

部屋の隅から声が聞こえる。びくりと身を震わせて振り向くと、そこにはカズが腕を組みながら立っていた。

智「あ……」

カズナリ「怯えないで。別に取って食やぁしませんよ。手荒な真似ですいませんね。」

智「……」

俺はどう答えていいかわからなかった。ここはどこ?ショウはどこにいったの?俺は一体どうして……

聞きたいことはいっぱいあったはずだった。でも、言葉がつっかえてうまくでてこない。

すると、それを察したかのようにカズは冷たい表情のまままた話し出した。

カズナリ「……焦んないでください。心配しなくてもいいです。別にあんたに危害を加える気はこれっぽちもないんで。」

それが虚偽か本意かはわからなかったが、カズはそれ以上なにも言わなかった。

智「あ、あの……」

するとその時−

−バタンッ−

マサキ「カズ!よくやったよ!」

マサキが満面の笑みのまま、部屋に飛び込んできた……
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