悪ノ王子〜哀しく輝く青ノ薔薇〜
□〜第五章〜
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〜潤SIDE〜
兵「もう、無理だ……俺はあんな王子に仕えたくない……森ノ国には、親友が住んでいたのに……」
城から逃げてきた兵士のひとりが、泣きながらそう語った。
村1「……やっぱりこのまま悪ノ王子をのさばらせていくわけにはいかん!俺はもう我慢できない!」
村2「その意見には同意だ。俺らで革命を起こすしか道はない!」
村3「けどよ……革命っていったってどうやって起こすんだよ……」
村1「そのことは心配いらない。武器は探せばいくらでもある。村の男なら戦えるだろう。それに、女や子供は小さなときから魔法を習得している。それに……心強い、味方もいるしな。」
潤「え?」
俺が気づいたときには、村人の指は俺を向いていた。
村1「潤。お前は親父さんより剣が強い。お前が革命のリーダーだ!」
潤「お、俺!?」
そんな……俺は、そんなつもりなどないのに!
村1「なにを戸惑っているんだ?お前だって、王子に親父さんを殺されて憎く思っているはずだ。」
潤「そ、それは……」
どうしよう。まさか兄弟だなんて言えるわけないし……
その時だった。集会場の扉が突然開き、赤い仮面の男が姿を現した。
村1「???」
?「夜分遅く失礼します。この度、この国の王子を倒すという計画を小耳にはさみまして参りました……」
村2「……あんた、なにもんだ?」
?「失礼。まだ名を名乗ってはいませんでしたね……」
すると男は、ゆっくりと仮面を剥いだ。その正体は……
潤「っ!」
?「……学ノ国第一王子、翔と申します。」