星の輝きと僕等の青春
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−7時・屋上庭園−
「あれ、ここだよね…」
屋上庭園に着き、私は辺りを見渡した。
「あ、星蓮さん!」
後ろの方で男の人の声が聞こえる。
「貴方がこの手紙の?」
「は、はい!霞雅悠介と言います!」
「それで、お返事なんだけど、」
「ごめんなさい、私好きな人とかは特にいなくって…」
「そう、ですか」
「やっぱりそうやって、僕のことも振るんですね」
「え、」
周囲の草むらから物音が聞こえる。
「僕達も、貴方に振られたんですよ」
4、5人の男の人が姿を表す。
「貴方達、一体!?」
「覚えてないんですか」
1人が、私の両手首を掴んだ。
「いっ、」
「俺等、ホントに星蓮さんの事好きだったんだけどな〜」
聞き終わった後に腹部に痛み。
どうやら殴られたようで、
そこで私の意識は途絶えた。
「……ん、」
目覚めて、辺りを見渡すと
跳び箱やボール。
体育館倉庫だと気付く。
「電話、しなくちゃ、」
そう思った。
でも、今暗闇にいるって実感する。
身体が硬直する。
「…や、」
うっすらとしか見えない周囲の状況。
「いや…」
暗闇の中にずっと居た幼少期。
「いやっ!」
全ての記憶が蘇り、虚無感に支配されていく。
「いやぁぁぁっ!」
誰かお願い、助けて、
私を、助けて…
私は海に沈んでいくような感覚に身を委ねた。
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