星の輝きと僕等の青春

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誉side


時計の長針は、8を指している。

秒針の音にさえ苛立ちを感じ始める。

先程から、何度も美月に電話を
かけているけれど、
一向にでる気配がない。



不安感がつもる。


もう部屋に帰って寝てるとか、
そうだったらいいんだけど…



携帯が着信音を鳴らす。

ディスプレイには"夜久さん"
の文字。

「もしもし?」

『もしもし、部長!?』

「どうしたの?」

『あのっ、何だか居ても立ってもいられなくなって陽日先生に美月ちゃんの事を聞いてみたんです、』

「うん、それで?」

『そしたら、まだ寮に帰ってないって』

「っ!」

『あの、取り敢えずと思って宮地君と部長に連絡したんですけど!』

「ありがとう、夜久さん。」

『いえ、それでは失礼します!』

ぷつり。

電子音が鳴る前に僕はもう部屋から飛び出していた。

犬飼君たちには、宮地君が連絡しただろうと思い、桜志郎と一樹にメールを打った。


「っはぁ、」

全速力で走る。






5分程探し回ったが、見つかる気配すらしない。

「「「あっ、部長!」」」

声の主は犬飼君と白鳥君と小熊君。

3人の額
には汗が滲んでいる。

「見つかった?」

3人は同時に首を振る。


「取り敢えず、手分けして探そう」

「白鳥君と小熊君は校舎をお願い。」

「「はい!」」

「犬飼君は僕と体育館へ行こう。」

「はいっ!」























「美月〜っ!」

叫び声は体育館に響くだけ。

虚しささえ感じる。


ふと目にとまったのは体育館倉庫の扉。

近付くと外側から鍵がかかっていた。



幸い鍵はいらず、ただ捻るだけだった。

かちゃり。


鍵が開き、扉も開けた。







其処には、ぐったりとうなだれ、気を失っている





―美月が居た。



「美月っ!!!!」

僕は必死に、そう叫んだ。






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