monochrome world

□甘い果実に毒を盛る。
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「星奈〜っ!」




私がこの世界に来てから、1年と2月が
たった。




「月子、どうしたの?」


私はこの可憐な少女、夜久月子の双子の妹として生活している。



「あのね、2年生に、女の子の転入生がくるんだって!」



ざわり、

「楽しみだね〜っ!」


ざわざわ。



「そうだね、」



胸騒ぎがする。


違和感を感じる。


絶対に可笑しい。


転入生だなんて、













「どうかしましたか?星奈さん」


「あ、颯斗君。まぁ、ちょっとね、」


「?悩みでもあるのですか?」


「ん〜、転入生が、来るらしくてね」


「転入生、ですか?」


「うん、それが何だかね、胸騒ぎがするんだ。」


「胸騒ぎ、ですか?」


「うん、何か嫌な予感というか…」


「……そうですか…」



私達は、眉に皺を寄せながら見つめ合った。



「何もなければいいんだけどな、」

「そう、ですね…」










(姉に何もなければ、それでいい。)
(月の片割れと、)

(彼女に危害が加わらないなら、
それでいい)
(乙女は密かにそう思う。)







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