限りなく広がる空の下へ
□第一章
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「千歳、明日は風間様の息子殿と、お見合いをしますから、」
母の口からあり得ない言葉が飛び出した。
「はっ!?母様、今なんと!?」
「だから、明日は風間様の息子殿と…」
「嫌!嫌です母様!私は見合いなど致しません!」
「もう決まったことなのです。
黙ってお行きなさい。」
最悪です。
顔も知らない人とお見合いだなんて。
考えられません。
「ふむ…貴様が泡沫の姫、御砂羽 千歳か」
お見合い相手は、超俺様なヤツだった。
「そうですが、」
私は相手の言うことを軽くあしらい、
顔を合わせないようにと、
そっぽを向いていた。
「クククっ…泡沫の姫と言われ、
どんなおとなし気な者が
来るかと思えば。」
「おとなし気じゃなくて悪かったわね」
「ふっ…こんなお転婆娘が来るとはな」
「まぁいい。鬼の中でも能力が発達しており、こんなに美しい娘を手放す馬鹿者が
どこにいる?」
「…!?」
「祝言は明日にするか、お前はゆっくりと休むが良い。」
風間千景…
頭に来るやつッ!
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