頂いたもの・差し上げもの

□〜秋の空〜
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学校帰りに寄り道をした俺たちは夕日の見える丘の上に座っていた。


律:先輩。

嵯:どうかしたか?


優しく包み込むように俺の肩に腕を回す。


律:俺、元々秋って行事とかも多くてあまり好きじゃないんですけど、青空の中にある薄い雲とか夕日の綺麗な所は好きなんですよね。

嵯:確かにそうだな。 俺も秋はテストやら文化祭やらで中々したいことが出来ないが、律に言われて秋の良さを改めて知った気がする。

律:あっ!先輩は好きな季節とかあるんですか?

嵯:好きな季節とかねーよ。

律:あ…やっぱりそうですよね。


今までちゃんとした会話が出来ていたのにそれを自分で壊すような事をしてしまい、なんだか先輩に対して申し訳ない気持ちになる。 [ごめんなさい。]そう言おうとした俺よりも先に先輩が口を開いた。


嵯:好きな季節なんかあるわけねーだろ? ただ、これから先巡って来る季節全てに、お前との思い出が残れば良いと想ってるだけ。お前は違う?


そう言って頭を撫でながら暖かく微笑む先輩。


律:俺も、そぅ思います…。 でも…。


やっぱり不安に思ってしまう。


嵯:でも?

律:俺なんかが先輩の隣に居て良いのかなって思って…。いつも思うんです。


そう。俺の心の中にはいつもこの感情が回っている。[自分が告白しなければ、先輩は幸せな人生を送って居たのではないか、]と。
今まで聞くことが怖くて聞けなかった。 でも今なら聞ける気がする。そう思った俺は何も考えずに思うがままの感情をぶつけてみた。 何を言われても構わない。そう思いながら先輩の返事を待った。
すると、一瞬の沈黙の後に先輩の口から出てきた言葉はどんな言葉よりも力強く、そして俺を励ますものだった。


嵯:確かに俺はお前から告白された時に驚いたし焦りもした。

律:やっぱりそぅですよね…。

嵯:でも実際に付き合って後悔なんかは一切してないし、俺の選択は間違ってなかったと思う。 それに俺は律と出会って変わったんだとよ。この前、クラスの奴等に言われた。

律:え?

嵯:[お前、あの男の子に出会って雰囲気が柔らかくなった]って。 そのぐらい俺にとって律の存在は大きいんだ。だから不安になるな。 俺は律さえ居れば良いから。

律:先輩…。

嵯:分かったな?

律:はぃ。

嵯:じゃあそろそろ帰るか。


秋の夕日は聞けない事を聞く勇気と優しさをくれる。 とっても特別な夕日なんだ。



〜end〜


――――――――――――
始めに…
奏者様!!!お誕生日おめでとうございます!
奏者様に出会えて良かったです!
その感謝を伝えるべく、幼稚な文ではございますが小説を書かせて頂きました!

これからも可愛いセカコイメンバーのお話を楽しみにしています!
お身体に気を付けて無理のない程度で更新頑張って下さい♪

今後ともよろしくお願いいたします。

架け橋 管理人 琳

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