頂いたもの・差し上げもの
□合格
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「先輩!!」
俺は無我夢中で先輩に抱きつく。
「俺、大学受験に合格しました!!」
笑顔で報告すると先輩は俺の頭をなでた。
俺は先輩の手が大好きだった。大きくて温かくて優しい手が大好きだ。
「よくやったな、律」
先輩も笑ってくれた。
その笑顔を見て俺はー…
「ぎゃーっ!!!!!!!!!!」
「あ、ゴミかと思った」
「た、高野さん!!!!」
俺は思い出した。
今が修羅場中で寝ている場合ではないことを。
そして、毎度毎度のように踏みつける上司を睨みながら乱雑している席に戻る。
「また、幸せそうな顔だったな。さぞかし良い夢だったんだろうな」
「いいえ!悪夢でした!」
俺は高野さんに言い切り心を落ち着かせる。
どうして、あんな夢をみたんだ!?だいたい、先輩…いや、高野さんとは直ぐに別れたから大学の合格発表の時は離れ離れだったのに…!!もしかして、願望?いや、そんなはずない!とにかく今は仕事だ!仕事!
一向に心は落ち着かなかったが目の前の仕事に打ち込めば紛れると無我夢中で仕事する。
あれは、悪夢だ!!
絶対!!