黒子のバスケ小説
□確かにあなたはー…
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ミーンミーンミーンミーン
蝉の声が聞こえ始めて数日のある日。
その日は今まで以上に暑い日だった。
6時間目が体育の授業で先生の気まぐれによりマラソンをやることになった女子たち。
なんとかその試練を乗り越え1日の授業を全うした男子バスケ部マネージャーの私八神はるは、部活へ行くために体育館を目指していた。
そのときのことである。
暑いな・・・。
ミーンミーンミーンミーン・・・・・・。
やけに蝉の声が大きかった。
「八神っち!!」
気がついたら私は我が男子バスケットボール部部員期待の選手 黄瀬涼太 の腕の中にいた。
「大丈夫っスか?!」
ああ、私倒れたんだ・・・。
暑いな・・・。でも、心配かけちゃダメ・・・。暑いな・・・。
「ありがとう黄瀬君大丈夫だよ、ちょっと暑くてクラッとしただけだから・・・。」
そういって、私は笑ってみた。
「全然大丈夫そうじゃないっスよ!
熱中症?今日マラソンだったし・・・。とにかく日陰で休んで何か飲み物を飲んだ方が良いっスね」
そういって私を抱き上げようとした彼に少し焦った私は、目を開け、大丈夫と、また言うため彼の顔を見た。
そのときに視界いっぱいにに入ってきたたのは、
真っ青な空をバックにきらきらと輝くきれいな金髪。
「あ・・・れ・・・?」
「どうかしたんスか?」
暑くない・・・。
なんか涼しい感じ・・・?
そっか。
「 涼太 」
「え・・・?」
きっといつも名字で読んでいる私にびっくりしたのだろう。
彼はそのきれいな瞳をめいいっぱい見開いて私を見ている。
「ありがとう、黄瀬君」
そういったら彼は真っ赤になっていた。
ミーンミーンミーンミーン
蝉の声が聞こえ始めて数日のある日。
その日は今まで以上に暑い日だった。
私は暑くて、でも暑さは消え、涼しくなった。
そして確かにあなたは、 涼太 だった。
次ページ、説明という名のあとがきと、ちょっとしたつづきです。