黒子のバスケ小説

□一番好きなのはピカチュウ
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「黄瀬君はピカチュウだよね。」
「は?」

突然の台詞に俺はなんと答えれば良いのか一瞬わからなくなった。
今俺は、目の前の彼女はるっちと屋上でのんびりしている。

「えーと、はるっちどういう事っすか?」
疑問を投げかけてみる
「え、とね、黄瀬君はピカチュウににてるなーって思って」
「そうっスか?」
なんとなく言葉の意味を理解して話を進めてみた。

「うん!イメージカラーが黄色い所とか、人気者な所とか」
「なるほど、そういえば前に黒子っちにも言われたっス」
確かにそれは自分の特徴だ。
前に彼に言われたときの理由もそういう感じだった。

「でも、突然どうしたんっスか?ポケモンとか」
生まれて来た新たな疑問を投げかけてみると
「あー、うん。今ねちょっとポケモンやっててね、それでピカチュウをこの前やっとゲットできたから・・・。」
ちょっと歯切れが悪い言い方だが特に気にしないでおいた。

「へー、面白いっスよね!俺もピカチュウゲットしてたんスよ!
 そういえば、はるっちは、名前とかつけるんスか?」
途中までは、表情が明るくなって行ったが、俺が名前について言うと彼女は真っ赤になった。
「ど、どうしたんスか?!」
何か変なことを言ってしまったのかと焦って振り返ってみるが特にそんな事はないように見える。
「え、と、あ、あのね・・・。つけ・てるよ・・・。」
真っ赤な顔を隠すためか下を向いてしまった彼女。
「へー、どんな名前を付けたんスか?」
何となくここはスルーする所な気がしたが、なんだかきになって聞いてしまった。

「あ、あのね・・・。その・・・・・・り・・た・・・・つけ・の・・・。」
さらに真っ赤になる彼女、それに伴って声も小さくなって
俺は聞き取る事ができなかった。
「え?ごめん。もう1回いってほしいっス」

「その、・・・りょうた 、ってつけたの・・・。」
「へ。」
彼女の言葉を聞いて、思わず間の抜けた声が出てしまった。

「や、やっぱり、いやだよね?勝手に黄瀬君の名前を付けちゃうなんて・・・。」
俺の返事を悪い方向に取ってしまったらしい彼女。
「違うっすよ!俺、嬉しくって。はるっちが俺の名前付けてくれるなんて。」
うれしくって思いっきり笑ったら彼女も
少し赤い顔で笑ってくれた。
「よかった。」


今日はちょっとした疑問から、こんなに嬉しい気持ちになれてしまったから
俺はもう一つ気になっていた事を聞いてみようと思った。
「はるっち、もう一つ良いスか?」
「うん。」
「あのさ、ピカチュウと俺が似てる理由で  とか  って言ってたっスよね?
 それって、他にも理由があるって事っスよね?
 それも、教えてほしいっス。」
質問をしたらまたもや彼女は下を向いてしまった。

「え、だめっスか?」
一応聞いてみる
「ううん。
 えとね、かわいい所とか、頼りになる所とか・・・。
 その・・・私が一番好きな所!・・・とか・・・。」
途中まで 「うん、うん」 と、ちょっとかわいいのは男として・・・とか聞いてうなずいていた俺が
最後の言葉を聞いて一瞬思考が止まってしまった。

「はるっち、それって・・・。」
また赤くなる彼女。
一日にちょっとした疑問から2回分以上に嬉しい気持ちになれた

「はるっち!俺もっスよ!
 はるっちが一番すきっす!」
勢いに任せて彼女を抱きしめた。




ポケモンで彼女が一番好きなのはピカチュウで
俺はそんなピカチュウと似ていて
この世界で彼女が一番好きなのは俺で・・・

俺も彼女が一番好きなんだ。
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