黒子のバスケ小説

□似た名字ならいっそ…
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 *注意 この小説は、名字がデフォルトの「八神」のままで行くか
  「○神」という名字にしないと話がおかしくなってしまうので、できればそうしてくれると助かります。


「八神さん」

「うん?」
「あ?」

黒子君に呼ばれて返事をしたら、同時に火神君も振り向いて返事をしていた。

「あ、火神君すみません。八神さんの名前呼んだんです。」
「あ、わりー 火神って聞こえたからつい。
 よく考えればお前、俺の事「さん」付けしねえしな」

なぜ火神君も返事をしたかというと、私と火神君の名字が似ていて聞き間違いをしたからです。
これは、しょっちゅうある事なので、私も火神君も周りの人も慣れてしまっていたりします。
例えば授業中、先生が火神君の名前を呼ぶと私は、一瞬どきっとしたり
先生が私の名字を呼ぶとたまに火神君があわてて立ったりしてたりとか。

「ふふ、それで黒子君私に何かあるの?」
少し笑ってから質問をしてみる。
「はい、監督がご飯食べ終えたら、少し手伝って欲しい事があるそうなので部室に行ってほしいそうです。」
どうやら監督からの伝言だったらしい。
監督も黒子君を捕まえられるようになったんだね、と少しうれしくなった。

彼はとても影が薄くて、なかなかいる事に気がついてもらえないので
見つけてもらえるようになったという事は、彼に普段から関わっていて、つまり仲が良くなって来ているという事なのだと思っている。
主に見つけられるのはバスケ部の人だけだけど。
最近はクラスの人も少しは存在に気がつく事があるようだ。

「わかったわ、伝言ありがとね黒子君。」
「いいえ」

「そういえば、名字の事だけど、火神君ってそのまんまだよね。」
ふと思いついた事を口にしてみる。
「そうか?」
「そうですね」
火神君は考えて見ている様子だが、どうやら黒子君も私と同意見のようだ。
「名前もそのままですね。」
黒子君の意見には私も賛成だ!
「そうだね〜!虎って感じだもんね!  でも黒子君も、テツヤって感じだね。真が強い所とか、いろいろ」
名前関連で考えて行ったら黒子君も、という感じがした。
「そうでしょうか?」
「うん。いいな。」
私がそう思っていると黒子君は
「八神さんもはるさんって感じがしますよ」
「ほんと?ありがとうね」
「それと、火神と八神というのはかっこいいと思いますよ」


「つかさ、」
私たちが盛り上がっていると、ふと何か思いついたかの様に頬杖をついて火神君は話しを始めた。

「似た名字ならいっそ  同じだったらよくね?  」

火神君の発言に私とその周りにたまたまいた人たちが活動を停止した。
唯一普通に活動していた黒子君が口を開く。

「火神君、それは八神さんへのプロポーズという事ですか?」

いつもの無表情なまま言う黒子君。

さらに脳の活動まで停止してしまう私。(ちなみに私はさっきまで、火神君の言葉の意味を脳内で必死に考えていた)
ざわざわとなんかテンションがあがる周りの人。すこし赤くなる女子。
一瞬固まった後、真っ赤になって慌てる火神君
「ばっ、ち、ちげーよ!!」

「そうですか?僕にはそう聞こえましたが。(というか、早くくっつけば良いのに。将来的にそうなるんですから)
相変わらずの無表情な黒子君。

「あのな、俺は名字が同じなら下の名前で呼ぶから間違えねーだろ、って思ったんだよ!!」
「あ、なるほど。」
火神君の言葉に活動を再開した私。
ちょっと残念そうな周り(特に女子)なんでだろう?
いつもの無表情だけど若干目が座ってる黒子君。

「あれ?でも別に同じでも下の名前呼んでもらえば良いんだし・・・??なんでだ?」
突然思考の世界に入ってく火神君

すこしニヤニヤした周りと黒子君。なぜだ。わたしだけ仲間はずれ??

「でも、私火神君の名字かっこいいと思うから私はそれでも良かったかな」
そういって私が笑ったら
火神君は少し赤くなっていたけどなぜか少し不思議がってた。
私も不思議だったけど、少ししたら笑ってくれたから、その考えは置いといた。

周りはさっきよりニヤニヤしてるけれど、私が
「みんなさっきからどうしたの?」
「だな、俺も気になってたんだ。」
と、火神君と聞くと。

みんなは少しため息をついて「いや、なんでも。お二人とも末永くお幸せに。あと、リア充爆発しろ」と笑顔で言って去って行った。
何の事かわからなかったけれど、前を見ると火神君もそう思っていたみたいでなんだか安心した。

「はあ、もうそろそろ、見るの疲れたので僕が結論を言ってあげましょう。
 お二人ともお互いの事が好きなんですよ。
 似た名字で良いのなら、いっそ今から結婚についてお話をする事をお勧めします。」
そういってさわやかにミスディレした黒子君。

残された私たちはしばらく黙っていたけど
周りの人が言うには二人とも真っ赤で活動停止をしていたそうです。



数年後、めでたく私たちは一緒の名字になりました。
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