黒子のバスケ小説

□なでなで
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なでなで なでなで


「・・・。」

「・・・・・・。」

「な、なにしてるんスかはるっち」
「へ?」
「いやいや、 へ? じゃねーよ!!」


え?今の状況がわからないって?
そうですか。
では、固まっているみんなに代わって僕が説明しましょう。
え、僕が誰かって?
この帝光中学校3年生バスケ部部員、一応試合に出ているのでレギューラの影が薄くて自称影の身長はいたって平均ですマジバのバニラシェイクは神だと思っている目が独特らしい敬語キャラの 黒子テツヤ です。
紹介が長いですって?
すみません。
僕もこの状況に混乱しているようです。

さて、今のこの状況を説明します。
とは言ったものの僕も今あった事を説明する事しかできません。
さらに、説明するも何も・・・・・・

僕たちバスケ部のマネージャーを務めている一人である八神はるさんが突然、
この世の絶対魔王様こと僕らの部長を務める赤司征十朗君の頭をなでている。

としか説明できません。

周りの説明をするならば、
今日は土曜日で、いつも通り部活を終え体育館を去ろうとしていた時の事だったという事。
その光景を見てしまった哀れなまだ残っていた数名の部員。
キセキの世代。と呼ばれているいわゆるレギュラーの男子4名プラス僕ともう一人のマネージャーさん。去ろうとしていた残り数名の部員があまりの恐怖に固まってしまった。ということです。
最初に疑問を恐る恐る投げかけた、モデルをやってる摸倣する事で成長中の黄瀬君こと黄瀬涼太君は
その光景を見て持っていたタオルを真っ二つに引き裂いた状態で固まってしまっている。
次にはるさんの発言に突っ込んだ、結構色黒な僕の光でこの部のエースな青峰君こと青峰大輝君は
持っていたバスケットボールを取り落としてしまっており跳ねていったボールは転がりに転がって体育館の外まで行ってしまっている。
後は、ラッキーアイテムのペンギンのぬいぐるみ(ペン吉君といってましたか)が足下に転がってしまっているおは朝信者な緑間君こと緑間真太郎くんがいたり。
食べてたお菓子を握りつぶしてカスや他のお菓子が散らばってしまっている巨人いやトトロな紫原君こと紫原敦君がいたり。
持っていた大切であろう資料を見事にこれまた真っ二つにしてしまったマネージャーの桃井さんこと桃井五月さんがいたり。
何事かと振り返ってしまった哀れな部員が数名いたり・・・。

とうの二人はなんだかよくわかりません・・・。
はるさんなどは、特に疑問に思っていないようで、こちらをみて首をかわいらしく傾げています。
赤司君はいつも通りに見えます。
でも・・・たぶん彼も動揺していると思います。きっと。


「・・・・・・。」
「・・・・・・。」

「・・・・・・はる『あ"ーー!!!!うああ赤司、落ち着け』
「僕は落ち着いている。」
「いや!そ、そうなのだよ。きっとはるも悪気があったわけでは・・・」『(うんうん!!)』
「み、みみみみ緑間っち!いや違うんスよ!赤司っち。ねえ!ほ、ほら青峰っち!!」
「おおお、俺かよ!えーと、そう!間違えたんだよ!誰かと。なっ!!はる!!」
「青峰君、それはそれで・・・」
「え?なにも間違えてないけど?」
『・・・・・・。(死んだー!!!!)』

しばらく黙っていた僕たちは、赤司君がはるさんの名前を読んだことで一斉に動き出しました。
赤司君の言葉を遮るという勇士を見せた青峰君は今までに無いくらいまぶしく見えました。
次に緑間君、黄瀬君、また青峰君、突っ込み?に僕と意見を言いました。
後ろでは後輩達が死ぬほど首を振ったりもしていました。
これは、あの赤司君の頭をなでる。などという恐ろしい行為をしてしまったはるさんの罪をなんとか少なくしようと思ってのことでしたが
どうやら、はるさん自身にこの気持ちは伝わっていなかったらしく無意味となってしまいました。
桃井さんはさっきから泣きそうです。

「さっきからどうしたんだい。みんなして。」
「い、いや。どうって・・・なあ」
「そうっスね・・・」
「・・・。」
「・・・・・・。」

「それで、はる。」
「はい?」
「どうして僕の頭をさっきから撫でているんだい?」

言ってしまったー!!
僕たちが答えを出せずにいるとついに赤司君は彼女に聞いてしまった。
もう終わりです…。
一体どうすれば良いのでしょう火神君!!(←まだ会ってません。このとき黒子君は何かの能力に目覚めた!(嘘)

「う〜ん。いつも赤司君頑張ってるから偉いな〜って思ったの。
 そうしたら手が勝手に動いちゃったの。」

不思議だね。というかのように彼女はまたも首を傾げる。
これには僕たちもびっくりです。
でも、彼女ならあり得るだろうとも思います。
誰よりも優しい彼女はたとえ恐れられている赤司君でさえふつうの人間なのでしょう。

「もしかして、嫌だった・・・?
 ごめんなさい、私・・・。」

「はるちゃん!そんなことないよ!ね!赤司君!」
「そ、そうだぜ!赤司!」
「っスよ!赤司っち!」
「赤司俺からも頼むのだよ・・・」
「俺も〜赤ちん。はるちんもさ悪いことしたわけじゃないしさ〜」

「お前達何か勘違いしていないか。
 僕は別にかまわないよ。
 はる。君は僕のことを気遣ってくれたのだろう?
 ならば何も怒ることではない。
 むしろ少し嬉しいよ。」


そういったあの時の赤司君は少し笑っていてその笑顔はなんだかとても穏やかで僕は少し驚きましたが少し嬉しくも思いました。
残念なことに赤司君の言葉に歓喜していた青峰君達は気がつかなかったみたいです。
でも、はるさんもなんだか嬉しそうで。
それからはたまに赤司君の頭を撫でて褒めたりする光景があったりしました。
その光景を見てまた初めてだった人はびっくりして固まったりもしてたりしました。
あの時の僕も人生で初めてあそこまであわてました。
これでもいろんな場面で冷静だと自負していたのですが、あの時の僕の思考は支離滅裂でした。


そうしてまた、しばらくたつと僕たちの中ではその光景は癒しとなったりしました。
赤司君にとっても癒しの時間だったと思います。
そして、初めてを僕たちを見たあの後輩達は僕たちの卒業後、一番帝光バスケ部を支えたとか。
それはまたいずれお話ししましょう。




次、おまえけとあとがきです。
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