フェアリーテイル小説

□氷の指輪は誓いの証.1
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ここはマグノリアから少し離れた山。
その中にある大きな森の名を「 運命の森 」という。
この森の中には「 誓いの湖 」と「 想いの花畑 」という場所がある。
この山の周りには様々なモンスターが住み着いている。
だが、この2つがある1ヶ所の近くにはモンスターは住み着かない。
なぜなら、そこは凶暴な心を持つモンスターでさえ心安らぐ場であって、彼らはまるでそこにいると調子が狂うとでもいうようにその場所をさけるのだ。

さて、そんな場所には1つの伝説がある。

それはー・・・・・・。




ガタン ゴトン ガタン ・・・

「それにしてもグレイ君と2人だけでの仕事って久しぶりだね。」

ここは、とある列車の中。
この列車にはあまり乗客はいなかったが、その中の一人の少女が向かいに座っていた青年に向かって言った。
その少女は、少し薄い金髪と珍しいオレンジ色の瞳を持ち、白とオレンジがメインの服と胸元の大きな白いリボンが特徴的な服装をしていた。

「だな。最近何かと忙しかったし、ナツ達と組むことが多かったからな。」

返事をした青年は、濃い青の髪と瞳を持っており、白を基調とした青のラインが入ったコートが印象的な服装をしていた。
そんな彼の名を 「 グレイ ・ フルバスター 」という。
フィオーレ王国最強の魔導士ギルドといわれるフェアリーテイルの魔導士であり、実力も相当の物である。
ちなみに氷の造形魔法を使う、氷の魔導士である。
そんな彼に話しかけるは同じギルドの魔導士「 はる アンジュ フォーフェアリエイス  」彼女は特殊な者で本来は 女神 であり、異世界よりわたって来た。
そのため、この世界以外で習得した力を持っている。今はこの世界を中心に行動をしている、というが実際は数年前よりそうしている。
ちなみになぜ彼女が世界を渡っているかというと、それはその世界をより良い世界へとするためなのだが・・・この話には必要のない情報故略させていただくことにしよう。

「そうだね。」
最近あった様々な思い出を思い出し微かに少女は微笑む。
「・・・・・・、そういやあ知ってるか?今から行く山の伝説。」
「伝説?」
どうやら少女は知らないらしく、首を少し傾ける。
「うっ(くそーさっきから反則だろそれ!)」
少女の仕草に何やらもだえる青年。青春だねえ〜。
「どうかした?」
「っいや、ま、とにかく、その山に運命の森 っていうのがあるのは知ってるだろ?」
なんとか話を進める青年グレイ。
「うん。森の中に 想いの花畑とその真ん中に 誓いの湖 があるんだよね。」
「そう、その場所に行って結婚とか告白と誓いをすると精霊が力を貸して叶うって話だ。
 もっとも、森の周りにはモンスターがゴロゴロいるからなかなかできるやつはいないがな。」
「へえ、なんだかロマンチックだね。ふふ
 グレイ君なら余裕で行けちゃうね。もし誰かに告白をするなら応援するね!」
心底そう思っているであろう少女はまたふわりと微笑む。
「あ、ああ・・・」
報われない男。諦めるなまだ希望はある!

しばらくまた世間話を続ける。
もう少しで目的の駅に着く。そこからは歩いて依頼した村まで行くことになる。

「なあ、はる。
 まだ俺ら18と17だけどさ、もう少し大人になったら、俺と結婚しても良いとか思えるか?」
突然の言葉、それは今の青年グレイの精一杯である。
少女はるは、少し不思議そうにしながらも素直に返事をする。
「うーん。私は全然良いよ、すごく幸せになりそうで。
 でもね、グレイ君にはもっと素敵な人がいるよ。」
天に昇って地に落とされる、とはまさにこのことであろう。
だが、少女は考えている間とても幸せそうな顔であった。
「そ、っか。サンキュ」

ひとつ良い忘れていたことを言いましょう。
まずこの2人つき合ってすらいません。


*    *    *


さて今日の依頼は、先ほどまでの話に出ていた山の周りのモンスターが最近人里におりて人を襲っていることがあるということで、そのモンスターの退治を依頼されたのである。
山の周りには様々なモンスターが数多くいるため全滅、という依頼ではないが、山の中を1週と1回突っ切り、出会ったモンスターを退治するというものであった。
依頼主は被害にあった人の一人であり、山の麓にある村の村長であった。
依頼を受け早速山を1週するべく、グレイとはるは一応装備の確認をしていた。
とりあえず。ちょっとした食べ物(後は山で取る予定)と地図・コンパスがあればokなのだが、一応治療道具等も持っていったりする。
なぜ、重要な物が一応かというと、それははるが回復の力を持っているためである。
そのため、たいていは治してもらうため必要ないのである。
この世界でいう回復魔法を使う仲間のウェンディーが自分は治せないという特性があるが、はるはあまりしないとはいえ出来るためいざという時は回復も出来る。
万が一、はるが力つきて戦闘不能になった時のための道具である。
もっとも、グレイもいる中万が一も何もないが。はる自身もグレイとペアを組むほどだ、足手まといになる用なことも滅多にない。 

さて、準備もできた所で早速山をまず1週しよう。ということになった。
山に入って数分、早速モンスターの集団が現れた。
若干バルカンに似たモンスターであったが、全身緑色のゴリラ?猿?だった。
「出やがったな、行くぞはる!」
「うん!」
「アイスメイク・・・・・・」


こんな感じで1週するとすっかり夕方なり2人は村に戻って一夜を明かす事にした。
今日だけで倒したモンスターの数を村長に報告すると、村長含め回りにいた村人達は感嘆の声をあげた。
その数127体。見た目の割にあまり戦闘力はあまり無く簡単に倒せた。
だが、倒したというより戦闘不能にしてからはるが回復させ、説得をし山に返した。という感じであった。
凶暴な性格では無くむしろ穏やかな性格であり、何やら山から下りていたのには理由がありそうだ、と村長にいうと村長は考えるそぶりをした後口を開いた。

「そういえば、数日前5人の男女がこの村に山のことを聞いて入っていったきり見ていないのお。
 なにやらいろんな武器を持っていたからモンスター退治か、例の伝説を試しに来た物かと思っとたんじゃが…」
「なんで伝説を試しに来たと思ったんですか?」
はるがすかさず聞くと村長はすぐに答えてくれた。
「それはのお。1組の男女がやけに中良さげだったからじゃよ。
 伝説を試すのならば、護衛を付けなければこの山を一般の者は上れんからのお。他の3人を護衛と思えば不思議でもないしのお。」
村長の話を聞けば、なるほどと納得がいく。
「だがじいさん、山を下りるには別にこの村を通る必要は無いだろ。
 他の道だってたくさんあるし。」
グレイのもっともな質問には村長では無く村人の一人が答えてくれた。
「それも考えたが、一番人が多く住んでいるのはここだ。だけど、大体は山を囲んでいるように人が住んでいて、この山の周り全部で村1つ分なんだ。
 そして、住んでいる地域ごとに毎日あったことを村長に報告することになっているんだ。
 みんなも山に人が登ったことは知っていたから、降りれば村長に連絡が入るはずなんだ。
 見逃すっていうのも逆に難しい。」
村人の答えにグレイとはるは黙り込み、考えごとを始める。

「(たぶん、そいつらが何かしら関わっているんだろう。)」
「(村長さんも最初にモンスターは最近まで山を下りて人を襲ったことは無かったって言ってたし・・・。)」
2人は目を合わせると同時にうなずいた。
「明日は、突っ切るのはやめて山でのそいつらの捜索をしていいか?
 ついでに、モンスター達がなんで山を下りて来たか調べてみる。」
グレイが村長に意見を言うと、村長は少し驚きつつ「わかった。」と言った。
「だが、いいのか?依頼にはそこまで入っていないのに・・・。」
申し訳なさそうにいうが
「気にすんなよ!どうせなら、全部スッキリさせた方が仕事が終わった感じがするしな。」
「そうですよ。」
2人の笑顔に村長と村人達は安心し「ならば、今日はお2人の歓迎の宴をしましょう!」といい支度を始めてしまった。
「おいおい、ま、いいか。はる今日は疲れただろ?宴の準備終わるまで少し寝てろ。」
でも、グレイ君も・・・。」
「俺は大丈夫だ、思ったよりも魔力も使わなかったしな。
 ほら、案内してもらえ。」
グレイがはるの背中を無理矢理おして休みにいかせる。
事実、グレイの魔法よりもはるの回復の方が力を使うため疲れの差は歴然としている。
「うん、わかったわ。」
はるが去っていくと村長がグレイに話しかけてきた。
「ちょっと・・・。」
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