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□私の夢は現実になります
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※もしもGXの世界で、ポケモンダイヤ/パールみたいな『発掘』があったら…な、もしも話。
空を見上げれば、抜けるような青空。
地上を見つめれば、抜けるような大きな穴。
ヘルメットを被ったジャミル・ニートが、大きなスコップを手にしてクルー達に伝える。
「これから我々は、発掘作業を行う。目当ては、主に『化石』だ。特に『貴重な骨』は高く売れるからな、これらを中心に発掘するように」
乗艦のキャプテンに言われては、拒否などできない。
真面目なクルー達はツルハシやスコップなどを手にして穴の中へ入っていく。
「――――という夢を見ました」
ティファが、ガロードに告げる。
それを聞いて、ガロードが微妙な表情。
「化石の発掘?」
苦笑い、予知夢をよく見ると言う彼女に告げる。
「フリーデンに金がないからって、いくら何でもバルチャーが発掘はしないんじゃないか?」
「でも、ガロード…」
「おいガロード、いるか?」
何かを言おうとしたティファの背後に位置するドアから、ウィッツが顔を覗かせた。
頭には、なぜかヘルメットを被っている。
「ウィッツ?何でヘルメット被ってるの?」
「あぁ?何寝ぼけてんだ!?んなもん、決まってるだろうが」
明らかに不機嫌に返答。
独特の凄味がきいた睨みを、少年に向けた――――――毎日一緒にいて慣れているせいか、ガロードもティファも、特に怯んでいないが。
「早く発掘すんだから、お前も外に出ろ」
「…は?はっくつ?」
「フリーデンは万年貧乏艦だからじゃねぇのか?ジャミルが張り切ってたぜ。『貴重な骨がたくさん出れば、しばらく貧乏しなくてすむ』…とか何とか」
まったく、なんでガンダムを3機も持ってるバルチャー艦が発掘しなきゃならねぇんだよ…と、更にウィッツが付け足す。
男から視線をはずし、ガロードが少女を見つめる。
少年の神妙な表情に気づいたのだろう、ティファも神妙な表情で、それ以上に神妙な返事をした。
「…私の夢は、現実になります」
「ははは…そうみたいだね…」
ティファ・アディールの見た夢は、予知夢として現実になる。
それをつくづく思い知らされたガロードであった。
フリーデンに、明日はあっても金はない。
おわり。
あとがきへ。