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□超絶鈍感彼女
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やけに赤い夕日が落ちていく時間。
好きだ、と伝えると、目の前の女は「へ?」となんとも間抜けな返事をよこして、いきなり部屋の中を見まわし窓を開けて外を覗いた。

「何してる」

「え?だって罰ゲームでしょう?どこで誰がみているのかなーって」

「違う」

「違うんですか。じゃあ私の耳がおかしくなったかな」

「それも違う」

「まさか兵長、未知の生命体に身体乗っ取られたりしてませんよね…?」

「そんなわけあるか」

お前に対する告白だ、と普通なら言わなくていいことを説明すると彼女は目を逸らしうつむいて黙ってしまった。
何も言わないイレーネに痺れを切らして右手で左手首を掴み、左手で顎を持ち上げた。
その表情からは困惑しか読み取れない。このまま口付けてしまおうかと淡い考えで顔を近づけるとイレーネの逃げ道のために空けておいた彼女の利き手が間に入ってきた。

「ち、近いです」

「だから?」

顎を持ち上げていた手をはずし、油断したところを今度はもう少し本気で顔を近づけると仰け反られた。
…ふられたか、と思ったが、返ってきたのは予想斜め上の答えだった。

「あの、私こういうこと全く経験ないので、ちょっと…」

「どういう意味だ」

「今まで恋愛してる余裕なんかなかったので…」

それは、つまり。

「それで、返事は?」

「………私も、好き、です」

視線が重なって、また逸らされて。答えた声は少し震えていた。
赤い夕日でわかりにくくなっていただけで、よく見ると彼女の耳が赤く染まっていた。

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