dream/short ブック

□stray dog
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「それにしても!可愛いですねわんこ!」

慌てて話題を逸らして兵長の横にしゃがんでみた。
くりんとしたつぶらな瞳で小首を傾げてこちらをじっと見ている。
だが、撫でようと手を伸ばしたら逃げられてしまった。

「可愛くても野良は野良ですねー。」

「てめぇみたいだな」

「え、私あんなに可愛いですか?照れるなぁ」

「外見と性格なら野良犬のほうが断然可愛げがある」

言い切った…!
それ結構乙女心が傷つくんですが兵長、なんて思っていたら未だしゃがんだままの私の頭に兵長が手を伸ばしてきた。
なんですかやっぱりさっきの怒った!?と全力で仰け反り回避する。

「ほら、そっくりじゃねぇか」

仰け反った私との間を一気に詰め、頭を撫でたというよりぐしゃぐしゃにして、兵長は古城に戻っていった。
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