dream/short ブック

□stray dog
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私は今、たぶん珍しい光景を見ている。

エルヴィン団長からリヴァイを呼んできてくれと頼まれたのはいいが、食堂にも自室にもいなかったので探していたら、城の裏手のほうにいた。
あまり日当たりがよくなくじめじめとした場所に、しかもしゃがんでいたので、頭の中に疑問符が飛び交ったがその解はすぐに出た。
兵長の正面1メートル先に犬がいた。大きさは中型犬ほどの雑種。おそらく野良犬だろうが、唸りも吠えもせず大人しくおすわりしているところを見ると元飼い犬だろうか。
リヴァイ兵長と犬。
…字面がしっくりしすぎて怖い。

「おい」

そうっと見なかったふりをして立ち去ろうとした私は逃亡に失敗した。

「なんの用だ」

「エルヴィン団長が呼んでました」

「じゃあなんで声をかけずに行こうとする?」

そこ突っ込みますか。

「ペトラちゃんも呼んでこよーかなーと。憧れの兵長が犬と戯れてる姿なんて珍しいだろうと思って」

汚物をみたような顔で睨んでくる兵長。
怒ってらっしゃるのですか…?私、もしかして死ぬ?
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