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□その時を待ちわびる
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スプーンを拾って巨人になった時。
動揺や恐怖の中、リヴァイは周りに落ち着けと言っておきながら静かな殺気をエレンに向けていた。
そして今も。

「どけ」

ああでも一つ違うところがある。
あの時は殺気だけだったけれど、今は憎しみも篭っている。

「どけっつってんだろクソガキ」

そういえばあの人も女性だけど喋り方似てますよね。元からか似ていったのかどうかなんて知りませんが。なんかムカつきますそれ。
完全に不意打ちで押し倒したリヴァイの身体を、エレンは足の先から頭のてっぺんまで眺めてからキスをした。唇が薄く開いたので舌を入れると思いっきり噛まれた。

「って…」

反射で顔を離すと、立て続けに頭突きをされひっくり返され鳩尾に一発入れられた。

「ぐっ…」

途端に呼吸がしにくくなる。必死に酸素を吸っているエレンの横で、リヴァイは何事も無かったかのように立ち上がり、ポケットからハンカチを取り出して口元をぐいと拭った。

「俺を襲おうなんざ20年は早い」

じゃあ、20年後ならいいですか。

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