dream/series ブック

□貸出業務
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「次の休日用事あるから」

大抵休日はリヴァイと過ごしていたので先に断りをいれておく。

「新刊の入荷か?」

「ううん、部屋にアルミンって子が遊びに来るの」

「…他の男を部屋に連れ込むのか」

「連れ込むとか人聞きの悪い。大体今までも書庫スペースには様々な人が入ってますが。ってか10も年下の新兵の子に私が何かされるとでも?」

「どうだか本の虫」

「これでも一応実力を認められて班長になりました。なんならリヴァイも来る?本読んでるだけだけど」

「行く」

即答されて少し戸惑った。アルミンに何も言ってない。
…ま、本読むだけだしいっか。




そして今に至る。
予告されていなかったリヴァイの存在にアルミンは最初こそ驚いていたが、棚から本を選び読み始めると没頭しているようで安心した。
私はお茶を3人分淹れてそれぞれの前に置き、椅子に座って読みかけだった本を開く。
おいしいお茶と、暖かい日差しが差し込む部屋。読書会としては中々良いんじゃないだろうか。

そんな日も暮れてきて、キリのいいところまで読み終わったのだろう。僕もうそろそろお暇しますねと言って本を書棚に戻して、カップを下げようとする。

「あ、流しは奥だから置いといていいよ。あと帰るのちょっと待って」

ええと、どこにやったか。そうだ寝室。
思い出して寝室へ行くと、案の定目当てのものが机の上にあった。寝る前にサインして置き忘れてたようだ。

「貸出特別許可証でーす!団長の判も付いてるよ!」

「……え?あ、あの、ええ?」

どうやらこちらが思っていた以上に動揺しているらしい。

「たまたま昨日団長に会う機会があって。今時珍しい勉強意欲のある賢そうな子がいたんですよ、まだ新兵だから私の書庫は使えないんですがって言ったら団長権限でくれた」

ほい、と利用者禁則事項と一緒に渡すとまだ実感が湧かないのか許可証を凝視している。

「そっちの許可証でも兵舎は通してくれるから。この部屋には基本私がいる時にしか入れないけど。空き時間ができたらいつでもおいで。
今日読みかけてたのも持っていっていいよ、なんせ貸出許可証だし」

書棚から読みかけで戻していた本を取って渡してあげると、ありがとうございました!と敬礼して、大事そうに本と許可証を抱えて出て行った。

「ああいう子が将来調査兵団の頭脳になっていってくれればいいよね」

ね、とリヴァイの横に座ると、持っていた本を机の上に置いたと思ったら、いきなり後頭部に腕が伸びてきた。そのまま引き寄せられ唇を重ねられる。
あんまりにも突然で目を瞑る暇もなかった。

「いきなりどうしたの」

「…貸出許可証あるなら先に渡しちまったらよかっただろうが」

その声は明らかに不機嫌そうに、休日が潰れたと吐き捨てた。

ああそうか嫉妬していたのかと気付き、目の前の凶悪面が少し、可愛く思えた。
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