小話など
□小話
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『バレンタインデー』
「はい、レイナ」
「ん？英理さん、なにこれ」
「チョコレートよ」
「チョコ？」
「えぇ、今日はバレンタインだから」
「ああ、小五郎おじさんに届けろってことね」
「違うわよ！あなたにってこと」
２月１４日、バレンタインデー。
朝、学校行く前に英理さんがチョコをくれた。
「私がもらってもいいの？」
本来は女が男に渡すものだけど、今の時代は女から女も有りらしい。
「えぇ。あなたにあげたの」
チュ、と。
額にキスをしてくれた。
「ありがとう英理さん。ホワイトデーに期待してて」
「ふふっ、わかったわ」
なんて短い会話を終えて。
ピーンポーンと、コナンたちが来たから学校へ行く。
「はい」
「ん？私に？」
「そうよ」
登校中、哀が私にチョコをくれた。
「手作りだから」
「ありがとう哀。コナンには？」
「ないわ」
「「……」」
まぁ、ドライな哀も好きだけどさ。
帝丹小学校下駄箱にて。
「「………」」
私の下駄箱が大変なことになっていた。
「……何事だ」
「おはよう！モテモテだねレイナちゃん！」
後ろから歩美の声が聞こえため、振り返れば。
「はいこれ！私から！」
「ん？ありがとう歩美」
歩美もチョコをくれた。
「オメー、どうすんだそれ…」
ランドセルから教科書を抜き、チョコを詰める。
「食べるよ。チョコ好きだもん」
教科書はコナンが持ってくれた。
「ん？」
下駄箱の奥には、手紙付きのチョコがあって。
「誰からだろ」
「子供っぽくねぇ包みだな…」
手紙を読めば。
“ブランデー入りだから”
とだけ書かれてて。
「………まさか」
包みを開けて裏面を見ると。
『ベルモット配合』と書かれていた…。
「……来たんだ」
「…暇人かよあいつ…」
これには私たちも呆れたけど、嬉しいことには変わりはない。
あとは、蘭や園子からももらったし、お母さんからも届いてた。
「一日一個よ」
「３月１４日まで間に合わないよ！」
「虫歯になるからダーメ」
英理さんにチョコを制限され…夜中にこっそり食べたりした。
コナンよりもらえたのが自慢だった。
おわり。