Wonder Alice


□心の闇
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ーーーザァァアア

「うみゅ〜〜 気持ち良い〜」


ガチャ


「よっ!月姫ちゃん!相変わらず屋上好きだな」


「あぁ、汀目君か… まぁね。今日なんか特に風が気持ち良いしね」


「かはは。そうだな」













……暫く沈黙が続いた




















長い長い沈黙を破ったのは、汀目君だった。



この沈黙で汀目君が
何を思ったのかは知らない。
何を感じたのかは知らない。
何を悟ったのかは知らない。



…けれど。
1年間触れずにいた、否、触れさせずにいた私の核心に触れようとしている事だけは分かった。




「ーーーなぁ、月姫ちゃん。そろそろ触れてもいいか?
あんたの根本に。あんたの大元に。あんたの心の奥底に。あんたのーーー核心に」



あぁ、やっぱり。
上手いこと隠していたつもりだった。バレていないつもりだった。

でも、それは所詮勘違いでしか、思い込みでしか、錯覚でしかなくて。


ーーでも何処かで汀目君には触れて来て欲しいと思っていた自分かいて。

矛盾ーー
私の今の心の中は矛盾だらけだ。




「ーーー月姫ちゃんさ、悩み事とか無い?
何時もと少し雰囲気が違うぜ?


…それが、その悩み事が俺の知らない月姫ちゃんの核心に関係していると思うんだ。


俺がーーー聞いてやんよ?」





Σ‼ 何で分かったんだろ…
1年間一緒に居るから?
それとも、汀目君…だから?


まぁいいや。私自身は汀目君に聞いてもらうのを望んでいるんだから。
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