零崎流復讐劇
□第零話
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どんなに私が異端でも、
どんなに私が異形でも、
どんなに私が異質でも、
どんなに私が異様でも、
どんなに私が異能でも、
私の両親は
私を受け入れてくれた。
私を捨てないで育ててくれた。
私を神の愛娘だと言ってくれた。
ありがとう、お母さん。
ありがとう、お父さん。
「お父さん、お母さん。ありがとう。
こんな異端で異形で異質で異様で異能な私を受け入れてくれて。育ててくれて。愛してくれて。
本当に、ありがとう」
帰国して、ただいまと言って、開口一番に言ったことはそれ。
ずっと、ずっと考えていた。
今までのお礼。
今までの感謝の気持ち。
今までの愛しい気持ち。
これらすべてを詰め込むには何をしたらいいか。
結局、答えは出なかった。
だから、全ての気持ちを込めてお礼を言った。
お母さんは泣き崩れて私を抱き締め、涙声で「どういたしまして」と言ってくれた。
お父さんは大きな手で私の頭を撫でて、笑顔で「お前の生きたいように、好きなように生きなさい。お前のたった一度の人生なんだから」と言ってくれた。
ーーあぁ、なんて優しいんだろう。
私は幸せものだなぁ…
そうして、私の高校生生活の幕を上げた。