□こういうものかな
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最近僕への視線が収まらない。何故か男二人が僕をずっと見てる。見つめられたって、僕は超能力者じゃないんだから分かる訳がない。
しかも、男二人に見られたところで嬉しいことなんてひとつもない。
そう言ってやりたかったけど、また面倒なことになると思うと言うのは止めておこうと思う。
最近気持ち悪いぐらい帽子を被った青少年に見つめられ、優しくされ、正直気味が悪い。

彼らがそういう方面の話をしてるなら、彼らのため止めた方がいいかもしれない。
もし、帽子を被った彼がそういう方面に僕を見てるなら絶望っていうものを知らしめたいな。

「おい、コンウェイ。今日俺との買い出しになってたんだけどよ、お前さっきから本読んでるし俺だけ行ってこようか?」
「…うーん、そう組み合わせたってことは今日の日は“僕ら”に任せたってことでしょ?だから僕も行かなきゃ」
「行かなきゃ…か」
「ん?」

いや、別に何でもねぇと彼は何でもない素振りをするが気付かない僕ではない。
だけど見逃したふりして、そうと一言言っておいた。
彼は本気で好きなんだね、僕のことを。
君の期待を裏切るようで申し訳ないけど、僕はそっちにはなれない。だけど、なぜか不快な気持にはならないんだ。

きっと色んなことを考えてくれてるんだろうな。言わなくとも既に顔に書かれてる。

「今日は…これだけだったよね」
「あん?そうだけど、どうしたんだよ」
「え?あ、別にいいんだ」

僕は何を言ってるんだろう。
自分でも自分らしくない発言に驚かされた。(…僕も少し動揺してるのか?まさかね。)

自分がそんなことあるはずないと思っているから。自分がそっちの気で考えると寒気がするくらいなのになぜか、彼にだけは大丈夫なんだ。



 
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