夢小説

□拾いまして
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「何、これ?」



仕事から帰ると、アパートの私の家の扉の前にはガングロで背の高い男の人が寝ていた

しかもよく見ると、青黒い色の耳としっぽがあるではないか


コスプレか


私はそう思った
だいの大人の男が、こんな犬みたいなコスプレをするなんて世も末だ

きっと、パーティーか何かでコスプレして酒に酔いつぶれた隣人に違いない




「起きてください、風邪ひきますよ?」

「んぁぁ〜?」



薄めを開ける男
よく見れば、あの犬に似ている気がする

先日、公園の近くにいた青黒い色の大きな野良犬

このしっぽと耳と頭の色が、それを思い出させた


よく私になついてくれて、仕事の昼休みによく一緒に公園でご飯を食べたものだ




なんて、馬鹿な話があってたまるか


私は、そんな非現実的な考えをした自分が恥ずかしくなり

少し頬を赤くさせて、尚も男の人の体を揺さぶる



「ちょっと!?大丈夫ですか!?」

「んー……………」



男の人はやっと目を半分開けて、起きて私を見つめる

あまりにもずっと見つめるため、首を傾げると男の人はいきなり私に抱きついてきた



「紬!!会いたかったぜ!!」

「え!?は!?
どちら様ですか!?」




いきなりの事でパニックになり、ワタワタと慌てる

誰だコイツは!?
私の名前知ってるなんて、どっかで会った人!?
いや、コスプレする人とは面識はない




「俺だよ、俺!!!
公園で毎日一緒に飯食ってたじゃねーか!」




私を抱きしめて、あの青黒いしっぽがパタパタと大きく揺れる

それを見て私は、またあの犬を思い出す




「もしかして……、青?」





そう、私はあの毛並みが青黒い犬を「青」と呼んでいた

もしかしてと思って、言ってみると



「そう!"青"!俺、人になれたんだ!
やっと紬とずっと一緒にいられるぜ!」

「え?…………………
えぇぇええーーーーーー!!??」













【拾いまして】















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