夢小説

□カッコ悪い男
1ページ/4ページ


「今度のインターハイで、青峰っちと試合する事になったんス」

「え?あの青峰くんと?」




そう言うと、涼太は「そうなんス」となんとも言えない表情で空を見上げる

私は中学時代からキセキの世代の皆を知っているから、青峰くんがどれだけ強いかも知っていて

涼太の憧れでもあるのも知っている



きっと、複雑な心境なんだろうな





「涼太なら、越えられるよ」

「紬っち………」

「練習いっぱい頑張って、勝とう!
先輩の為にも自分の為にも!」




私が両手でガッツポーズをとれば、涼太は眉を下げて



「そうッスね」




と、柔らかく笑った

良かった、元気出してくれたかな?
涼太がいなくちゃ、海常の本当の力は発揮されないから



「紬っち」

「ん?」

「青峰っちに勝ったら、付き合ってほしいんス」

「え?」

「知ってるんスよ?紬っちが青峰っちの事好きなの」

「っ!?」



その言葉に息を詰まらせる
気づかれてたんだ

中学時代から好きだった青峰くん
同じ高校に行きたかったけど、なぜか怖くて行けなかった

そして、涼太に誘われた海常に来た




「紬っちは青峰っちのこと、まだ好きッスか?」

「…………………、分からない。
中学時代から会ってないし」

「そッスか。俺は中学時代から紬っちの事一筋で好きッスよ?」

「な、何言って…………!?」

「本気ッス。俺が青峰っちに勝ったら、青峰っちの事なんか忘れて俺を見てて欲しい」




夕日に照らされた涼太の顔は、真剣な表情で今まで見たことがない

青峰くんを忘れて、涼太を……



「ご、ごめん!少し考えさせて!」

「試合の日まで待つッス。
だけど、これだけは聞いて欲しいッス。
青峰っちは紬っちを、見ていない。けど、俺は紬っちの事ずっと見てるからね」

「涼太………、ありがとう」

















【カッコ悪い男】










.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ