三日月

□生徒会の日常
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各地からセレブやエリートのみが集まるここは御衣高校。

私がこの学校に入学してからもう半年になる。
その半年の間に私の回りではたくさんの出来事があった。

入学してしばらくは御衣高で教師として働いていた親戚で私の保護者代わりでもある晴明様(昔からこう呼ばないと怒られる)や御衣高に先に入学していた従兄弟の壱弥くんと弐黄くんと楽しく(晴明様にいじめられることもいっぱいあるけど)過ごしていた。
ある日突然御衣高の生徒会会長である和泉がやって来て「良かったら俺の生徒会に入ってくれないかな」と勧誘された。
もちろん私は断ったけど、和泉の度重なる勧誘と「君なら大丈夫」という言葉に後押しされて生徒会の会計職を引き受けることにした。

生徒会の仕事は忙しくて大変だけどその分やりがいがあった。
それに生徒会の人たちもみんな楽しくていい人たちばかりだった。

生徒会長の和泉に副会長のライコウさん、書記には壱弥くんがいて、弐黄くんも庶務の役員だった。
それに生徒会顧問の晴明様も一緒だし保健の源信先生もよく遊びに来てくれる。

こうして私の高校生活は気がついたら半年も経っていた。
最近では毎日が楽しい。
私はいつの間にかこの生徒会やそこにいる人たちが大好きになってた。
そして、今日も生徒会室では楽しい一日が始まった。



「おい、弐黄!!!サボってる暇があるんなら仕事しろよ!!お前雑用係だろっ!!!」
それまで真面目に書記の仕事をしていた壱弥が弐黄にキレる。
言われた本人はまるで意にも介さず先程からずっと彩雪にちょっかいを出し続けている。

「雑用係やのうて庶務や!!!庶務!!!それにわいは今彩雪とてぃーたいむん楽しんどんのや、壱こそ邪魔すんなや!!!!」
「お前さっきからずっと休んでばかりじゃないか!!!!雑用係なら少しはそれらしく手伝うとかしろよな!!!」
やる気のない弐黄に壱弥もさらに怒る。
ヒートアップする前に彩雪が間に割って入った。
「もう、やめなよ二人とも!!喧嘩しちゃダメ!!」
彩雪の一言でそれまで怒っていた壱弥が一旦言葉に詰まる。
弐黄の方はチャンスとばかりにニヤリと彩雪に抱きついた。
「だって聞いてや〜彩雪。壱の奴なわいが一人でサボってるいうんやで〜、なっ?酷いやろ〜」
慰めてー、と彩雪をぎゅうぎゅうと抱き締める弐黄、抱かれている方の彩雪はこれが昔からの彼なりのスキンシップだと割りきっていたため弐黄の頭をよしよしと撫でた。

「壱弥くん、弐黄くんをいじめちゃダメだよ?壱弥くんはお兄ちゃんなんだから」
「・・・っ・・!!!子供をみたいな言い方するな!!!!僕は間違ったことは言ってない!!それから弐黄はいい加減離れろよ!!」
机から回り込み彩雪から無理矢理弐黄を引っ剥がした。
離された弐黄はふてくされて壱弥に文句を言うが、だんだんとニヤニヤと笑い始める。

「なんや〜、壱。そないムキになって、わいが彩雪とイチャイチャしとるんがそんなに羨ましかったんか〜?」
「・・・・なっ・・・・・//////!!!??」
弐黄の一言で一気に顔を赤くする壱弥だが、すぐに言い返した。
「ばっ、馬鹿///!!!!!ぼ、僕は別にそんなんじゃ・・・・///!!」
「???」
途中から二人が何を言ってるかよくわからずに首をななめにする彩雪を見て更に壱弥は顔を赤くする。

「僕はただお前たちがだらしなくサボってるのを見てるのがムカついただけだっ!!!!別にお前がそいつに抱きついたからとか一切関係ない!!!!!」
壱弥は顔を真っ赤なしたままそっぽを向いてしまう。
彩雪には未だに何のことかわかってなかった。
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