復活

□愛を謳う薬
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愛を謳う薬





「ふ〜ん……これが?」
恭しく持ってきた隼人に目配せして、それを見詰める。
ボンゴレの屋敷。
自室の椅子に鎮座して、隼人からの報告を受ける。
掌の上に在る銀色の薄い板。
規則正しく並ぶ、その白い錠剤。
「なんか、バファリンを思い出すなぁ…」
日本でよく風邪の時に飲まされた昔ながらの薬を思い出して、あれって半分は優しさで出来てたんだっけなー…なんて思ってみる。
隼人は苦笑しつつ、薄いんだけれども文字の細かい報告書を差し出す。
文字が小さい。
ほんと、紙なんて何枚でも使っていいから大きくして欲しい。
まぁ、ハルがそれを許さないけど。
「ドラッグの名称は『Lust』覚醒剤やLSD等に限りなく近い化学的構造を持ちます。摂取方法は、そのまま飲む経口摂取。有害作用としては、不眠、ほてり、口渇、神経興奮、血圧上昇、幻覚、心停止です。」
「へぇー…凄いね。」
掌の上のドラッグ『Lust』。
渇望という名を持つソレは、今、スラムで出回っているものだ。
「…作用としては、媚薬としても使用可能ですが、後にソレ無しではいられなくなるそうです。使用すると、体の火照りがあるために温かく感じ、幻覚作用があるため、色々と見えて面白いと評判になったそうです。使用した者の中には聖母マリアを見たとか…」
「胡散臭い」
溜息を吐く。
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