MONOMANIA

□約束はいらない
1ページ/10ページ




約束はいらない








「侑士」
呟いた声は、ただ風に乗って消えて行く。
「ん〜〜?」
のほほんとした返答に少し笑った。
「皆死んじまったな――…」
「お――……」
崖の上に座って。
二人で座って。
ただ何ともなしに空と海を見た。
昔見た空のように、ただ………ただずっと見てた。
ジャングルジムに登って空を指して、『俺が一番になる!』って。
そんな思い出。
言っていた頃が懐かしい。
リミットは、後二時間。
人数は俺と侑士の後、二人。
俺等は、ただ逃げただけ。
武器がレーダーで良かった。
誰も殺さないで逃げられる。
侑士の武器は、ちっぽけな銃。
それでも俺達には大きすぎた武器。
一回もまだ使った事がない。
これが始まって、次々と知っている奴等の名前が放送されてった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ