MONOMANIA

□僕の恋人
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僕の恋人




カーペットの上に正座で座って。
長い毛を掴みながら頭の中で自問自答する。
言うのならここしかないと思う。
床から見上げるのは、同い年の恋人。
同じ部活。同じ性別。
でも性別も気にならない程に惚れてしまった俺の恋人。
「ねぇ、若……」
ごろごろと俺のベットで寝ながら雑誌を読む若に声を掛ける。
ある決意を持って。
「……ん?」
雑誌から視線も上げずにいる若にちょっとドキドキしながら言葉を続けた。
「………エッチ最中の若の写真撮ってもいい?」
その言葉に若の綺麗な眉が寄って、長い前髪が顔を隠す。
更に雑誌で顔を隠された。
「…………鳳…」
低い声。
雑誌の所為でそれは篭っている。
…・・・どうしよう……若が怒ってる!!!!
まぁ、当たり前ですけどね!!!
普通、ヤってる最中の写真撮らせてなんて!!
キモイとか言われても仕方ないですもんね!!?
ああああああぁぁぁぁ…………嫌わないで!!若!!
「……はい……」
出した声は弱弱しかった。
「お前、何しようってんだ?人の写真で…」
ええっ!!?
何しようって………ナニしかないじゃんか!!!!
ど……どうしよう…!!!!
こういう時って何て答えればいいんですか!!?宍戸さん!!
まごまごとしていると、若がキッパリと言った。
「正直に言え」
ごくりと唾を飲み込み、覚悟を決める。
若の目を見て息を吸い込んだ。
「よ…夜に使います!!!」
大声で叫ぶに等しい程の恥ずかしさ。
「……………どうやって?」
…………………………
…………………………
…………………………
…………………………
…………………………
………………………………!!!??
まだ言わなきゃいけないの!!!???
若を見ると、雑誌から顔を上げて楽しそうに笑っていた。
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