MONOMANIA

□桃色カタルシス
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「ヒヨはさぁ…俺のこと好き?」
試すように。
挑むように。
慈郎先輩は俺を見る。
頷いたのは、無言の回答。
即ち、肯定。
精一杯の行動に、猫のように目を細めて彼は微笑う。



「じゃあ、証明して?」



濡れた舌が薄い唇を伝った。





** 桃色カタルシス **








放課後。
まだ人が居る校舎で。
慈郎先輩は俺を視る。
無理矢理連れて来られた男子トイレ。
抵抗出来なかったわけじゃない。
握られた掌が酷く熱かった。




「っ……ぁ……」




吐息が漏れる。
嗚呼、何をしてるんだ…。
何て愚かな事をしているんだ…。
頭の中はそればっかりで。
埒が明かない。
不潔なトイレの床に膝をついて。
少し汚れた履き潰された上履きを見ている。
時折少し動くその靴を見ながら。
手を、指を、動かす。
はしたない水音が鳴った。
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