MONOMANIA

□桃色カタルシス
2ページ/4ページ

「………っ…く…」
先端の括れ。
尿道へ続く膨らみを撫でながら、軽く爪を立てる。
あまりの気持ち良さに視界が涙で歪んだ。
思わず開いた唇から涎が垂れる。
顎を伝う生ぬるい唾液の不快感に。
眉を寄せた。

「ヒ〜ヨ……きもちーの?」

顔を上げると、目の前には慈郎先輩。
便器に座って俺を楽しそうに見ている。
「…ぁ……っ…」
気にしないようにと勤めていた羞恥心が湧き上がってきた。
慈郎先輩は、ネクタイを緩めただけで他は何一つ乱れている所はない。
なのに、俺は何でこんな事をしているのだろう。
上半身はブレザーも、ネクタイもしっかりと締めて。
けれどもズボンも下着も、慈郎先輩によって没収された。

「イイ?」

真っ直ぐに貫く視線。
答えを言わないと許されないその瞳に。
無言で頷いた。
滲んだ体液で、滑りを帯びた指で竿を扱く。
「……っ……っ……」
震える声帯。
そして内腿。
力が入らなくて、段々と前屈みになっていく俺に。
慈郎先輩は笑いながら、足で背後のドアへと俺を抑え付ける。
体重を受けて、ドアが軋む音がした。
ぬるついて滑り、ほどけた指先が宙に浮かぶ。
先輩はその指を取って、握った。
「…ぬるぬるしてる……」
吐息だけで微笑んで。
唇へと運ぶ。
形の良い唇に吸い込まれるぬらりと光る指先。
柔らかい舌が俺の指を嘗め回す。
「っや………っ…ん…」
まるでフェラチオをされているような。
そんな感覚に。
無意識に腰が揺れる。
ヒクリと蠢く最奥が、はしたない。
チュ…っと、小さな音がして吸われた指を離された。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ