+シキガミショウセツ+ お題編

□BRAVE
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「痛ぇな、おっさん、もっと優しくしろよ」
椅子に座りケガの治療をされている少年……玖珂光太郎がいう
対しておっさんと呼ばれた男…H&K探偵事務所所長…日向玄乃丈は
「痛いのが嫌なら、しょっちゅう生傷作って返ってくるんじゃない」
消毒液を脇にやりながら応えた
(…ま、無理だろうが)
胸中で付け加える
「ちぇっ」
言葉につまった光太郎は、反論変わりに舌打ちする
「何処行くんだ?」
立ち上がり出かけようとしていた光太郎に声をかける
「ヤボ用」
絆創膏を貼り付けられた顔で肩越しに振り向き、共同経営者は答えた
「あのな、急ぎならともかく…… 今日は休みじゃないんだぞ」
「依頼が来たら電話してくれよ」
バタンと扉を閉め、言い逃げされる
「やれやれ…困った坊やだ」
一人事務所に残された日向は、嘆息混じりに独りごちた



事件が解決してから2ヶ月弱がたっていた
一応、街には日常が戻ってきている
「………はぁ」
公園のベンチに座り嘆息する
適当な理由をつけ、出てきたはいいが一向に気分は晴れない
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