+シキガミショウセツ+ お題編
□うさぎ
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その日は珍しく雪が降った
雪が降り積もった庭で
光太郎と月子がはしゃいでるのを
僕は縁側で座って見ていた
「よっしゃ!! 完成っ!!」
パン、と作り上げた雪だるまを誇らしく叩くのは、光太郎だ
「100点満点中、25点ね」
「あははははっ、手厳しいね、月子は」
にこやかに笑いながら言ったのは、晋太郎
───縁側で熱い緑茶を飲みながら、遊ぶ二人を見守っている
「シン兄……笑いすぎ、てか月子、何だよその点数は」
唇をつりあげ不服を申し立てる
「だって、何か可愛くないんだもん コウの作った雪だるま」
大小の雪玉を乗せ適当な大きさの枝をつけただけの雪だるま
……シンプルだ
「雪だるまが可愛いかったら変だろ」
「……どんなの想像してるか知らないけど、そっけないって言ってるの ほら、もっとサンタさんの帽子とかかぶせて……」
「──んなもん、俺んちにはねぇよ」
「あるもので工夫するとか…… どうせなら、もっと凝ったの作ったらいいのに」
「俺は別に……」
延々とやりとりが続いている