+ｼｷｶﾞﾐｼｮｳｾﾂ+ お題編
□恋しくて
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「お前は何かを無性に恋しくなる事はあるか?」
「はぁ!? 何だよ、急に」
恋しくて
そう日向が質問したのは、いつもの事務所の一室でだった
探偵は、砂糖もミルクも入っていない漆黒の液体を少しだけ喉に通す
渋みが喉に染みる
「…聞いてみただけだ」
「そうだな… 急に言われてもなぁ」
考え込む自称共同経営者
時期は６月下旬
今年の梅雨は、雨らしい雨が降らなかった
今日も雲行きは怪しいが───
「今日も微妙な天気だな」
日向は窓の外を見やり呟いた
どんよりとした雲が空を覆っている
「そ〜だな」
机に置いてあるクッキーを頬張りながら、光太郎は相づちをうつ
つとカレンダーに目がいった
７月まで、後一週間弱
(今年もまたこの時季が来るか…)
当たり前といえば当たり前なのだが……