zzz
□01
1ページ/4ページ
イタリア某所。
『うー…緊張してきた…』
今日は初仕事の日。
私の両親は私が子どもの頃に交通事故で死んでしまった。
それからは親切な親戚のところで育ててもらっていたけど、高校の卒業と同時に独り立ちをしようと決めた。これ以上迷惑はかけられないもん。
そこで、親戚のおじさんがお給料のいい住み込みの仕事を紹介してくれた。
はじめての海外だし、まだ仕事の内容も詳しくは聞いていないから不安はいっぱいだけど、がんばろう!
でも、でも、こんな豪邸だなんて聞いてない!こんなのテレビでもなかなか見たことないよ…
豪華すぎる門の前で立ち尽くす。
『…よしっ!』
気合いを入れて、インターホンを押す。
ピンポーン。
((はぁ〜い。どちら様かしら?))
『あ、あのっ!今日から働かせていただくことになってる名無しさん名無しさんですっ!』
((あらぁ〜、待ってたのよ♪今出るわね〜。))
意外と陽気でテンションが高い声色に、少しホッとする。