゚・。+☆+。・゚黒魔女゚・。+☆+。・゚

□黒魔女早朝トレーニング!
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苦しくて目が覚めた。
なんか、胸のあたりを押さえ込まれている感じ。
どうしたのかな。
あれ?腕が動かない。か、体も動かせなし。
え?変な霊にとりつかれちゃった?
あれ、ベッドが揺れてるよー。
右、左、前、後ろ。
上にも下にも。
なんでだよー。
自分の体さえ動かせないってのに、どうしてベッドだけ揺れるわけ?
もしかして、これって、ポルターガイスト現象?
きっとそうだ。
ベッドの次は、コップとかお皿が飛ぶんだ。
それから、花瓶とか、段々大きい物になっていって、最後は椅子が宙を舞ったりするんだ。



「ほら、ほら」



わっ、今度はクラップかよ。
あ、クラップってのは、霊がおこす謎の音のこと、って、解説してる場合じゃないよ。
ウチの部屋で、こんな霊現象の幕の内弁当みたいなことに、どうしてなるの。



「ほら、ほら、ほら」



ヤダ、どんどん酷くなる。
ウチ、呪われるようなことなんか、何にもしてない・・・・・・。



「よいしょっと!」



へっ、ウチの体が空中に?
と、思ったら、カーペットに叩きつけられた。



『痛ってぇー!』



思い切っり頭、打ったぁ。
目の前、薄暗い。
その中に、ブラックホール・・・。



「ふふ、それは俺の目だよ」



へっ?
目を思いっきり開くと、視界いっぱいに暑苦しい黒革のフードが広がる。



『ゆ、幸村!』


「先生を呼び捨てにしない。幸村様で許すよ」



床に転がっているウチ。
シーツを掴んで仁王立ちで、黒革の衣装をまとった黒魔女。
やっぱり、これはとてつもなく異常なシチュエーションだよ。



「まったく、見習い魔女のくせに、いつまで寝ているんだい?」


『い、今何時?』


「五時半」


『え?ウチ夕方まで爆睡しちゃった?』


「馬鹿だなー、朝の五時半!」



チャッと、幸村がカーテンを全開にした。
窓から差し込む白い光に、目が眩みます・・・・・・。



「こんな気持ちのいい朝に、黒魔女トレーニングしないで、いつするんだい?」



朝っぱらから黒魔女修行っておかしいんですけど。
朝に相応しいのは、ラジオ体操とか、ジョギングとかでしょ。まぁ、やらないけどね!



「ぐだぐだ言ってないで、さっさと着替えなよ。着替えたら・・・・・・」



黒革のコートから、にゅっと手が伸びた。














☆朝のメニュー☆



一. ベッドを整える(感染魔法よけ)
二. 掃除をする(感染魔法よけ)
三. 魔法陣の書き取り練習(ネクロマンサー魔法の第一段階)









『ちょっと待ってよ!なんで、毎朝、こんなことしなくちゃなんないの』



一旦幸村に部屋から出てもらい、いつもの制服に着替えながら、ウチは慌てた。



「なんでって、璢唖が黒魔女になりたいって言うから……」


『言ってない!精市が勝手に話を進めたんでしょ』


「まったく、璢唖も往生際が悪いね」



幸村は、困ったように、腕をくんだ。
黒革のコートを着ているいるから、体を動かすたびに、ゴワゴワって音がする。
もう四月だし、家の中なんだから、そんな革の洋服、着てほしくないんですけど。



「事情はどうあれ、俺は使命を果たさなくちゃならないんだ」


『使命ってなに?!』



使命とか意味わからな。



『絶対にヤダって言ったら?』










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