゚・。+☆+。・゚黒魔女゚・。+☆+。・゚

□黒魔女早朝トレーニング!
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フードの中で目がキラリと光った。
幸村が無言で、ウチが脱ぎ捨てたスウェットに手をのばす。
それから、手首につけていたゴムを、スウェットにまきつけた。



「ルキウゲ・ルキウゲ・タイトゥムス」



ちょっと高いハスキー声で、精市が呪文を唱えた。そのとたん…



『うっ、く、苦し.!』



ウチの制服が、ウチの体をギュウギュウ締め付けはじめた。
んな馬鹿な。
この服、ウエストも、胸まわりも、緩々のはず。
なのに、サイズの小さい水着を着せられたみたいに、体中をキリキリ締め付けてくる。



「ルキウゲ・ルキウゲ・タイトゥムス」



幸村は、もくもくと、呪文を唱え続ける。
せれに合わせて、体への締め付けは、どんどん酷くなる。
こ、これは、幸村の黒魔術?!



『く、苦しい!幸村、やめて……』


「呼び捨てするなって言ったよね。『様』をつけて『様』を」


『幸村様、お願いでございます。ちゃんと修行しますからー!』



呪文がとまる。と同時に、体を締め付けてた力が、すぅーっと消えた。



「分かればいいんだよ。俺だって本気じゃないんだ。璢唖を一人前の黒魔女にしたいが為の愛のムチだと思って」


『ふん。ウチを黒魔女にしないと、自分が魔法使いの国に帰れないからでしょ』



ウチは口の中で、ボソッと呟いた。



「ルキウゲ・ルキウゲ・タイトゥムス」



また制服がギューっと……。



『あ、い、いいえ、何でもありませんでございますぅ!』



幸村は黒い笑みで、ふふっと笑うと、呪文をとめた。



「よろしい。 いい?今のが感染魔法だ。脱ぎ捨てた服には璢唖の体の形が残ってる。だからゴムでギュッと締め付けると、その力が璢唖の体に『感染』して、締め付けられるって仕組み。つまり、だ」



教室を歩き回る大学教授気取りで、幸村は得意そうに続けた。



「感染魔法から身を守るには、体の跡は勿論、髪の毛一本、残してはならない!」


『は、はいでございます』


「璢唖、敬語の使い方、間違ってるよ。弦一郎に教えてもらったら?」



一々煩いっ!てか、真田に教えてもらったら余計に変になるよ...



「とにかく、始めようか!」



それからが、大変だった。
まずは、スウェットを畳んで、タンスに入れる。
次は、ベッドをメーキング。シーツを皺一つなく、ピターっと伸ばし、枕の形を整える。
勿論、髪の毛がついていないかどうか、目を皿のようにしてチェック!
お次は、本棚と机の整頓。
幸村は、こんなに汚い部屋は見たことないって言うし。







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