゚・。+☆+。・゚黒魔女゚・。+☆+。・゚

□ブン太の心霊写真
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ブ「トイレに行くと個室がいっつも全部使用中だったり、体育館の掃除に行ったら誰もいないのにバスケットボールが転がってたりするんだぜ?」



はあ?それのどこが気味が悪いのわけ?
トイレが満員なんてこれだけ生徒がいればおかしくもないし、バスケットボールが転がってるのは、ただの仕舞い忘れじゃん。



ブ「誰もいない音楽室でピアノが鳴ってたこともあるんだよ。勿論、最初はさ誰かの悪戯かと思ったぜ。俺ってモテるし天才だし、俺を妬む奴って、いっぱいいるしさ」



でました!
どんなことも全部自分がカッコイイせいだと考える、究極の自惚れや!



「でもな、昨日ふとこの写真見てビックリしたんだよ」



ブン太は写真を覗き込んだ。



ブ「変なもん写ってるだろぃ?」


「変なもの?ああ、これ?」



幸村は自分たちが写ってる後ろのもやっとしたものを指さした。



ブ「違うだろ。それは松岡センセーの頭」


「あ、そういえばいたかもしれないな」



松岡先生っていうのは、まだ二年目の若い男の先生なんだけど、自分は中学生の教師になるためにこの世に生まれたと信じ込んでるわけ。
口癖は二つ。



〈この学校で、生徒と心を通わせられるのは俺だけだ〉
〈お前たちの悲しみは俺の悲しみだ〉



わけわかんないでしょ?
でも自分じゃ「熱血イケメン教師」を気取ってんの。



ブ「##NEME2##、幸村君ここだよ」



ブン太は後ろの壁を指差した。
そこはコンクリートの壁で、卒業制作が飾られている。
ほら、よくあるでしょ、レイリーフっていうの?
クラスで分担して石に彫刻してそれを合わせるとでっかい絵になるやつ。
あれね。



ブ「ここに顔が写ってんだろ」



ウチは目を皿のようにして見た。
なんかボウっと丸いものが写っている。



『うーん、まぁ団子みたいなものが、ボヤっと見えるかな?』


ブ「だろい!だろい!だろい!」



ブン太が身を乗り出してきた。



ブ「それ人の顔なんだよ!霊が写ったんだ!心霊写真なんだよ!」



まあね。確かに何となく顔らしく見えなくもないけどさ。



『それで、これが心霊写真だったらなんだっての』


ブ「俺を守ってくれ」


『守る?ウチがあんたを?普通逆なんじゃない?』


ブ「そんなこと言わないでやってくれよぃ。この心霊写真からあと、ずっと変なことが続いてるんだよ。もし登下校中に何か起きたらどうすんだよ」



どうするって言ったってねぇ。
ウチは悪魔祓いじゃないし。
って思ったとき、



「やってみなよ。エクソシズムって言うんだよ、悪魔祓いのこと。いい修行になると思うけど」


ブ「修行?お前何の修行してんだよ」


『え?あ、あはは、ちょっとね…』


「ブン太は気にしなくていいよ。それよりやるよね?」


『(笑顔が黒いんですけど...)っ、だけどさぁ…』


「やるよね?言うこと聞かないとまた……」


制服の下から、ゴムが出てきた。
……ってか、いつの間に着替えたの!?



『や、やります。やらせていただきます!』


ブ「……?」



ウチは大声で言ってやろうかと思ったよ。
今、ブン太の友達で目の前にいるのが本当は黒魔女なんだって。
そっちの方が、心霊写真だの学校の怪談だのより、ずっと怖いじゃん!



『ブン太。ボディーガードやってあげるよ』


ブ「マジ?サンキュー!ああ、やっぱり頼りになんのは幼馴染の大親友!」



あーあ、なーんかウチいいように使われてるような……。







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