゚・。+☆+。・゚黒魔女゚・。+☆+。・゚

□黒魔女デビュー!
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あの後、ウチと金ちゃんがブチキレて、色々大変だった。
金ちゃんを、蔵と千里が抑えて、ウチはジャッカルと仁王に抑えられて、二人して『ギャーッ』って。
今家にいるんだけどそれでもまだイライラ!



『横綱もそうだけど、ウチの…ウチの可愛い可愛い金ちゃんを傷つけて、ヘラヘラしてんのが、ムカツク!やっぱぶっ飛ばす!!』


「あの時の璢唖の顔凄かったよ。ところで、怪奇現象究明委員会の仕事はどうするんだい?」



は?ウチの話聞いてた?そんなことより、今は先生抹殺……。



「俺は、先生が怪奇現象に関わってるような気がするんだよね」



ええっ?マシで?どゆこと?



「いちいち聞かないでよ。わからないから調べるんだろ。それで、心霊写真は調べたの?」


『一応校庭には行ってみた。でも、顔が写ってたところは、やっぱりただのレイリーフの花が重なってるだけだった』



心霊写真なんて、そんなもの。
木の葉とか模様が重なったところをジっと見てると、人の顔みたいに見えてくる。
早い話が錯覚か、インチキ。



「それは撮影現場のことだろ。俺が言ってるのは、写真そのもの」


『写真?だって霊が映るんだよ。問題は現場でしょ。テレビでもよくやってんじゃん」


「はぁ。それがインチキなんだよ」



幸村は貧乏揺すりをはじめた。
綺麗な顔で貧乏揺すりしないでよ。



「霊なんていないんだよ。人間は死んだら灰になって『はい、さよなら』なの。あ、これ面白い」



幸村ってオヤジギャグ言うんだね。



「心霊現象っていうのは、全部生きてる人間が原因。生きてるから、恋したり希望をもったり、その反対に恨んだり、もう死にたいっとかって思ったりする。その強い『念』が、怪奇現象を引き起こすんだよ。だから心霊写真は場所じゃなくて、撮った人間が問題なんだよ」



ほう。で、ウチはブン太から預かった写真を鞄から出した。
すると、幸村は写真に顔をくっつけて、くんくん臭いを嗅ぎ出した。
だから、綺麗な顔して……もういいや。



「ふふ、におう、におう」



は?仁王?仁王がどうした?



「仁王じゃないよ匂う。ねぇ、璢唖。今晩、学校に行って」


『な、なに。急に』


「璢唖、委員長として仕事をしたいだろ」


『いや、それは別に……』


「したいいんだよ。それは決まってるんだ」



強引な黒魔女だな。
はいはい、しますよ。



『するけど、何をすんの?』


「ブン太と夜の学校に潜入して、不思議な事が起きる場所に案内させるんだ」


『それで?』


「原因を突き止めたら、一気に解決する」


『解決ってどうやって?』


「それは、これから教えてあげるから大丈夫。これは璢唖の黒魔女デビュー戦だし、俺が色々段取りつけるから。それに、『学校の怪談』事件を解決出来たら、クラスのヒーローになれるね」



ヒーローは男。これでも一応女の子なんで、ヒロインってよんでよ。
それにウチヒロインなんてなりたくないし。



「これも黒魔女修行だからね。嫌なら……」



幸村が、手首のゴムをチラッと見せた。



『や、やります!やりますったら……』



何かウチ幸村といるとヘタレに見えんじゃん。
決してヘタレじゃないからね。



「よし。でも折角の黒魔女デビューだし……」



幸村がコートに手を突っ込んだと思ったら、黒いコートを取り出した。



「これを着ていきなよ。魔力もアップするし、魔除けにもなる」



ど、どこに、んなもの隠してたの。
お前はドラ○もんか!



「これは俺の予備服。無くしたり、汚したりしたら……わかるよね?」



やっぱりドラ○もんじゃないや。
ドラ○もんはのび○を脅迫しないし。



「わかったら作戦会議。これから、ありがたーい黒魔術を一つ教えてあげる……」






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