BL短編
□そんな、君。
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ごほんごほん。
職員室に、咳が響く。一人ではない、何人もだ。僕も含めて。
恐らく、「インフルエンザ」だろう。
変な時期にやって来た「彼」は、
生徒、先生、構わず猛威を振るっている。
今日も、生徒は大勢、先生が何名かが早退という形で、リタイアしていく。
当然、人手が足りなくなっていく。
…気づけば、春樹と二人っきり。
(こ、これは…。何か、夢にうなされてるのか?!)
とか、思ったがやっぱり違う。正真正銘、二人きりである。
少し離れた、春樹の机の方から足音。
これが、
フラグである。
「おお!奏太。お前も、のこっちまったか!大丈夫手は出さないよ。」
…ホッとした、の一言である。そう、僕は、彼とそんな事やあんな事をする関係にある。
もっとも、自分からホイホイ行くわけでは無いが、春樹は「上手い」。
「うん、じゃあ仕事…っ!」
…気づけば、目の前に春樹。そして、塞がれた口。
はっとした。ここは、職員室。
「だ、だめっ!誰か先生に見られたらどうするの?!風邪も移っちゃうっ…!」
「大丈夫。ね、少ししよ?」
こんなきれいな目で見られたら、ウットリこないほうがどうかしてる。と、自分を正論化してみる。
「…す、少しだけ、だよ?」
…「ぁん、いやっ…。ちょっと春樹!ぁぁっいっちゃう、らめぇぇえ!!!!」…
ー翌日。
春樹の机を見る。
空っぽの机が虚しい。
…僕の風邪が移ったようだ。
かわいいやつめ。