02/29の日記

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剣が君 百夜綴り―個別感想まとめ―。
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『剣が君 百夜綴り』、個別感想です!
【天竺葵の書】【山茶花の書】【桜の書】は既に攻略済み、個別の各書のみにフォーカスして綴っていきます。
攻略順となっておりますので、読みづらいかもしれませんがあしからず。

【鈴懸―金盞花の書― 感想】
おそらく全話なのかもですが、各4エンドのその後のお話と雪の日の一幕、過去編、鈴懸は幸魂エンドの世界線で再び天下五剣・数珠丸を使うことになるお話が描かれていました。
荒魂エンド後のお話は、鈴懸が家光の命で常世の門を閉じるために蓮台野を訪れ、そこで狂ってしまった妖怪たちを見て、
自分が天下五剣を得た本当の意味について改めて考えさせられるお話。
奇魂エンド後のお話は、大柄の送り犬が現れる事件を聞きつけた香夜ちゃんが、鈴懸の意志を継いで鈴懸が目指していた、
妖怪と人間が仲良く暮らせる世の中にしていこうと戦っていくお話。
幸魂エンド後のお話は、流行り物に疎い鈴懸が患者さんの言葉を聞いて、香夜ちゃんを楽しませるために、2人で芝居小屋を見に行くお話。
和魂エンド後のお話は、高尾山で暮らす長七郎が鈴懸と香夜ちゃんの仲を深めるために、カルラの書庫から持ち出した恋まじないの本の内容を、
鈴懸と一緒に試すお話、といったかたちでした!
鈴懸は全体的に見ても、やっぱり妖怪と人との関係が主立ってきますし、前作と比べるとちょっといい方向に進んでいけるようなかんじで終わってくれたので、
ここでやっと完結した、というかんじがありました。
過去編で、おそらく九十九丸のお父さん?の八幡さんが出てきたのにはびっくりしましたが、鈴懸が人間に興味を持ったきっかけとなった人物、
そして良い人間と悪い人間がいることを知るきっかけになったお話だったので、鈴懸にとってこの出会いが良い刺激になったんだな、と感じました。
しっかり成長していってくれている鈴懸を見て、この先もっといろんなことを知ってさらに立派になっていってくれるんじゃないかな、と思ったお話でした!

【黒羽実彰―菖蒲の書― 感想】
ラストの第八編、実彰さんは荒魂エンドの世界線で、孔魔壇での事件で朝倉らと共にいた祈祷師の老婆が、
再びマレビトを騙る妖怪に唆されて香夜ちゃんたち江戸の娘を攫う事件が起きたことで、実彰さんが助けに行くというお話でした。
荒魂エンド後のお話の続きになっており、自分の手が多くの血で汚れてしまったことで、香夜ちゃんを守るために離れてしまった実彰さんが、
再び香夜ちゃんの下へ戻ってくるためのきっかけとなったお話で、なんだか前作からこうしてここまで荒魂エンドのお話が語られている、ということは、
おそらく実彰さんにとってこの世界線が一番の正解なんじゃないかな、と思えるようなつくりとなっていましたね。
贖罪のために剣の道を突き進む実彰さんと、それを支える香夜ちゃんの構図が、悲恋でありながらも一番正しいと思ってしまうようなかんじでした。
で、奇魂エンド後のお話は、香夜ちゃんと実彰さんが過ごした庵の庭での、穏やかなひと時のお話。
幸魂エンド後のお話は、隠れ切支丹の島に流れ着いた商人から、実彰さんのお父さん・セルヒオさんのお話を聞いて、
孫六兼元に憑いているハバキ憑きからお父さんのお話を聞かせてもらう、というお話。
和魂エンド後のお話は、暖簾分けしてもらった料理茶屋に舶来の品を売る行商人が訪れ、その荷を狙うならず者たちとひと騒動が起こるお話、といったかたちでした!
過去編のお話が本当に重たくて、でも実彰さんが生きるためには心を殺さなくてはいけなかった、という想いもわかるので余計に悲しいお話でした。
香夜ちゃんと出会えたからこそ、実彰さんがこうして生きてくれているのが本当に実感できましたね。
で、実彰さんがどうして東北の地を終わりの地としていたのか、その理由もわかってすっきりしました。
東北の一番刀(おそらく九十九丸のお父さんのこと?)が行方不明になったと聞いて、駿府で一番刀になった自分を終わらせるには、
東北へ向かうしかない、という想いがあったようなのです。
本当に消えなくて良かった……!!実彰さんには残酷ですが、これからも生きていてほしいと願うばかりです。

【螢―山吹の書― 感想】
螢の第八編は、幸魂エンドの世界線で螢が江戸城城主・徳川家光に謁見に呼ばれ、そこで遭遇した誘拐事件を解決するお話でした。
人と鬼が共に暮らせる世をつくる、という螢の想いが良い方向へと動き出したかのように見えた幸魂エンドでしたが、
やっぱりその溝は根深く残っているものだということが見せつけられ、苦しくなったお話でしたね。
角を隠していれば普通の人間のように接してくれ感謝してくれた、人質の男も女も、螢が鬼だと知ると、
ためらいながらも自分の都合で簡単に変わってしまう、そんな様子を見せられたにもかかわらず、
螢は香夜ちゃんと生きるためにここで死ぬわけにはいかないんだ、と立ち上がってくれて本当に強い子だと思いました。
荒魂エンド後のお話は、香夜ちゃんがおばあちゃんに刺繡を習っているひと時の幸せな時間と、香夜ちゃんに螢の正体を知られてしまった時、
そしてその後におばあちゃんが思った螢たちへの想いが語られるお話。
奇魂エンド後のお話は、螢が天下五剣・童子切を授かった、その真の「お役目」――常世の門の守護というお役目に思い悩むお話。
幸魂エンド後のお話は、螢が妻である香夜ちゃんの願いを叶えるために、東海道の旅およびお伊勢参りのための旅に2人で出るというお話。
和魂エンド後のお話は、香夜ちゃんのお父さんから結婚の許しをもらえずにいた螢と香夜ちゃんの文通していた当時の様子を、
螢の視点で語られるお話、というかたちでした!
螢のお話は基本的に鬼と人との諍いがメインとなってくるし、前作も結構つらいシーンがあるにも関わらず、今作はより深くそのお話が掘り下げられていた印象でした。
過去編で螢が体験した両親殺しの現場の状況、鬼が人間に嬲られていく様子を見た彼が剣を持つことを拒絶していた時期、
そしてある浪人の男によって、「守るための剣」という新しい道を与えられたことが語られており、螢のことをより深く知ることができました。
たぶんこの浪人、おそらく九十九丸のお父さんかなと思うのですが、九十九丸のお父さん、いろんなところで活躍していて、
皆の礎になっていっているのがなんだか感慨深いなと思いました!

【九十九丸―彼岸花の書― 感想】
九十九丸の第八編は、幸魂エンドの世界線で贔屓にしている米問屋の荷が山賊に襲われる事件が発生し、
それを食い止めるために再び剣を握るのか迷う九十九丸の葛藤が描かれていました。
一度死に、反魂呪で再び生をうけた九十九丸は、その影響で実の両親の顔も覚えていないし、穢れた身として旅籠を営む義理の両親と会うことも許されず、
彼は故郷を二度も失っているかたちとなっています。
そんな中で、自分が故郷を失うきっかけとなった「剣」を取ることでやっと得られた「香夜ちゃんたちといるこの場所」が失われてしまうのではないか、
そんな不安を吐露する九十九丸に涙を抑えきれませんでした。
それに、これは過去編のお話も絡んでくるのですが、そこまで全部見終えたからこその幸福感や切なさが引き立っていて九十九丸のお話は全体を通して泣きどおしでした。
で、荒魂エンド後のお話は、マレビトを抑えるための霊場巡りも終え、料理茶屋で働く九十九丸が、葛藤しながらも再び御前試合に挑み五剣・鬼丸国綱を授かるお話。
奇魂エンド後のお話は、マレビトの力を使いこなすための旅で九十九丸が経験を積み、香夜ちゃんへの想いを募らせて江戸に戻ってくるまでのお話。
幸魂エンド後のお話は、過保護すぎる九十九丸に香夜ちゃんの堪忍袋の緒が切れ、香夜ちゃんと仲直りするために九十九丸が空回りしながらも奮闘するお話。
和魂エンド後のお話は、2人が暮らす常世に異常が起き、門の異常を抑えるために数珠丸を手にした鈴懸が彼らと対話し、
香夜ちゃんと九十九丸も想いを知って2人を送り出すお話、といったかたちでした!
過去編ではもちろん、九十九丸は十五歳以前の記憶がないものですから、こちらは九十九丸の師匠・無常來世さんの視点で語られる、
九十九丸の父・八幡さんとの思い出と九十九丸が反魂呪で生き返った後のお話が描かれており、後編では八幡さん視点で語られる、彼が何を思って剣取りをし、一番刀として守りたいものを守れなかった悔恨と、
九十九丸や妻のいちさんへの想いの強さが描かれていました。
八幡さんの想いの強さや苦悩が本当につらく苦しいもので、反魂呪を九十九丸に施すこともわかっているのにこの幸せな時間を失ってほしくない想いでいっぱいになりました。
変えられない過去だとわかっているんですが、反魂呪を施そうとする八幡さんを見て、止めたくなる気持ちもわき上がってきましたし、
でも息子を想ってしたこの行動を責められないからこそつらく悲しく思いました。
そして前述で述べたように、八幡さんの足かせとなっていると、自ら離縁を選んだいちさんと九十九丸が偶然にも出会えたこと、
九十九丸が覚えていなくてもいちさんがそれを伝えることなく、九十九丸夫婦を影で支えていく様子を見せたことが切ないながらも幸福な気持ちになりました。
九十九丸のお話は温かくもあり切なさもあって、ずっと涙が抑えきれない状態でプレイしましたね……!

【鷺原左京―紫陽花の書― 感想】
左京さんの第八編は、幸魂エンドの世界線で左京さんが営む寺子屋に通う鬼の男の子・樹くんと、
彼と彼の家族を通して左京さんの中にある鬼族に対する想いが変化するお話でした。
斬鉄一味の所業で家族を失った左京さんが裏街道に身を落とし、泥をすすって生きてきた壮絶な過去が語られた後にやったので、
彼の鬼族に対する怨恨はわかっていたのですが、それでも仇討ちを終え樹くんと出会ってから、左京さんの中ですべての鬼族を憎む気持ちに変化が表れて救われた思いがしました。
最初、樹くんが鬼族だとわかった時は左京さんも葛藤し、苦悩しましたが、鬼族としてではなく樹くん自身を見た結果、寺子屋の大切な教え子である彼を憎く思うことなどできず、
鬼だからと蔑む矢ノ彦以外の子どもたちを窘め、喝を入れた左京さんに涙が止まりませんでした。
本当の意味で、仇討ちから解放されたんだな、と心底安心し、救われましたね。
で、荒魂エンド後のお話は、左京さんが毎夜悪夢にうなされる日々が続き、心配した香夜ちゃんが左京さんの安眠のためにいろいろと手を尽くすお話。
奇魂エンドの世界線でのお話は、妖刀村正によって人斬りとなり果てた左京さんを見守り、その最期を見届けた左京さんの姉・京瀬(ちかせ)さん視点でのお話。
幸魂エンド後のお話は、左京さんに見合うようなおしとやかな女性となるべく、香夜ちゃんが様々な手習いをお松ちゃんから指導してもらうお話。
和魂エンド後のお話は、鷺原家の家臣たちの稽古を見ていた左京さんがその腑抜けた様子に危機感をおぼえ、
九十九丸や田一が屋敷を訪れた際に良い刺激となるよう家臣たちの手合わせを頼むお話、といったかたちでした!
過去編では先ほども述べたように、前編は左京さんの家族が殺された時の様子と左京さんが仇討ちを決意するきっかけのお話、
後編は裏街道で汚い仕事をしながら生きてきた左京さんが斬鉄の情報を得るために鬼族を殺してきた様子と
島流しにあった斬鉄が裏金を使って江戸へ戻ってきたという情報を掴んだ彼が花嫁行列に参加するまでのお話が描かれていました。
こんなにも鬼族に対しての恨みを抱いていた左京さんが、仇討ちを果したからといってその心の奥底に根付いているわだかまりが晴れるはずもなく、
今回の樹くんのお話でようやくすべてに決着がついたんだな、と感慨深く思えました。
ただ恨むべきは斬鉄たちだった、ということと、鬼族すべてが悪いわけではない、と思えたことが、左京さんにとって何よりも成長できたことだったのかなと思います。
すぐには難しいと思いますが、左京さんなりに少しずつでも折り合いがつけていけたらいいな、とそう思えたお話でした。

【縁―梅の書― 感想】
縁さんの第八編は、幸魂エンドの世界線で家光様が倒れたという知らせが入り、急遽江戸城へ向かうことになった縁さんが、
補陀落を守護する紀州藩臣下の謁見において家光様の影武者を務める、というお話でした。
三日月宗近を手放し、お役目から解放され白河の地で生き生きとした生活を送っていた縁さんでしたが、
元将軍家の跡取りという地位はどこまでも追ってくるものなのかもしれないな、と思い少しだけ穏やかな生活に影があるようなかんじがしました。
ですが、立派にお役目を勤め上げた縁さんを見て、やっぱりこの人は国を支えていく器なんだなとも感じてしまい、
でも香夜ちゃんとの穏やかな農村での生活も送っていってほしいと思うので複雑な気持ちになってしまいますね。
でもこんなことを思ってはいますが、縁さんなら立派に勤め上げた今回の経験を胸に、今の生活を続けていってくれると思っています!
で、荒魂エンドの世界線でのお話は、縁さんが勤め上げた公儀隠密の内容についてのお話。
奇魂エンド後のお話は、働きすぎだという信春の息抜きに付き合ってほしいと半蔵から頼まれ、香夜ちゃんが信春とともに江戸の町を散策するお話。
幸魂エンド後のお話は、蕎麦の実を育てている縁さんが、香夜ちゃんのお父さんからの頼みで数日の間、料理茶屋の手伝いを頼まれるお話。
和魂エンド後のお話は、御用聞きとして働く縁さんが、香夜ちゃんに求婚すべくいろいろな方法をとるものの、悉くかわされ奮闘するお話、といったかたちでした!
縁さんの過去編では、八百長が行われた水戸城御前試合の様子が語られ、純粋に強さを求めて剣を振るっていた頃の縁さんがこれによって苦悩し、
偽の一番刀だということに耐え切れなくなっていくお話が前編で語られていました。
後編では、三日月宗近を賜った縁さんが一番刀として孔魔壇の守護を任されること、しかし最初のお役目で「神降ろし」ができず、
次第に凡愚にふるまうようになっていき、公儀隠密としての新しいお役目が与えられそれをこなしていく中、偽の花嫁行列に参加するまでが描かれていました。
前作でも縁さんの過去に触れることはあったのですが、今作でより深く、縁さんの過去の苦悩が描かれており、胸が苦しくなりました。
縁さんはただ純粋に剣を振るっていただけ、純粋に一番刀になりたいと願っていただけなのに、陰謀でその想いを肉親に打ち砕かれ、
どれだけの絶望と失望を抱いただろうか、とか、家光様の期待に応えたいがために努力していても三日月宗近が応えてくれない、その想いにどれだけ苦しんだか、とか、
見ているだけで苦しくなってくるようなお話でした。
辰影様からしても縁さんが苦しんでいるのを見てきているからこそつらかっただろうし、自分にはお役目が果たせないことを誰よりもわかっているから悔しくもあるし、
縁さんを羨んでいるのかもしれないな、と思えるかんじとなっていて、辰影様視点から見てもつらかったです。
あまり交わることはないけれど、どうかこの兄弟、親子には幸魂エンド後の世界線で穏やかに生きていってほしいと願うばかりです。

さて、遅くなりましたがとりあえず個別の感想が書きあがりました!
皆それぞれ壮絶な過去や想いの強さに悲しく苦しくなることもありましたが、香夜ちゃんに出会ったことで少しでも心が癒せていたらいいなと思います。
総評につきましては、まだ終わっていない【二輪草の書】【江戸菊の書】を読み終えてから綴っていきたいと思います!
それでは、お目通しありがとうございました!

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