マギ

□アラジンとアリババ
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外に出たアリババは、物凄くご機嫌だった
アラジンに気圧されていたときとは大違いだ その反面、アラジンは顔をあげようとしなか った
「や〜〜〜!社長驚いてたな〜っ!」
『…そっすねぇ〜……』
「あの人にゃ世話になってるから、絶対不幸 にはさせねーぜ。早速、「迷宮攻略」の準備 に取りかかろう!食料だろー、地 図だろー、ナイフも新調しようかなァ…やっぱ 冒険ってのは心が震えるよなっフィリア、アラジン ?」
『アーハイハイソウデスネーご主人』 「何で棒読み!?てかそれやめろって」

だけどフードからちらりと見えるフィリアの顔は何処かぶすりとしていてアラジンからの返事は無く 振り向くと、アラジンは離れた場所で突っ立 っていた
アリババが手を差し伸べても、顔を背けるだ けで何も言わない
「…?な、何怒ってんだよ……」
「べつに」
「何フテてんだよ…?「迷宮攻略」行きたくな いの?ハラ痛いの?」
全ての問いにアラジンは首を横に振った

「あっ、わかったっっ!!」
暫く悩んだアリババは、不意に大声を 出した
その声にアラジンはピクリと反応する
「報酬の取り分決め てねーからだよなーっ!そりゃ大事だ。お前が怒るのももっともだ… …」
「……」
『…お前じゃあるまいし…』
「何だと!?…大丈夫、お宝は山分けだ……お前とフィリアは「ジンの金属器」、俺は、残りのお 宝全部でいいから……」
『………(どうやって金属器分けんだよ)』
「なっ?だから怒んなって!」
「怒ってないってば…!!」 「(怒ってるじゃないスか…)」
なぜかアラジンの機嫌がさらに悪くなった
ズボンを握り締めるアラジンのそれは、100人 に聞けば100人が「怒っている」と評するよう な格好だった
「(くそ…めんどくせぇガキだな…困るぞ、コイツが突然「行かない」とか言い出したら…!社長には大見栄切っちまったけど、「迷宮攻略」は生易しいもんじゃねぇ…ガッチリ武装した重曹兵団が入ったっきり一人も帰ってこなかったって世界だぜ…準備資金不足の俺にはコイツの不思議な力が絶対必要!……あっ、でもフィリアだけでも)」
アリババはフィリアの方をちらりと見た
『一つ言っておくけど「私」は迷宮攻略中出てくる気はないしお前を助ける気も一切ないからな。それに「アリア」はマゴイの量クソみてぇに少ねぇから魔法にも期待しない方がいいぞ』
「!!」
フィリアはまるでアリババの考えを聞いてたかのように答えを返した
「ななななにいってんだよそうだ!あっ!あそこに行こう!」
アリババな何か閃いたように声を出す
『は?あそこ?』
「わかんねーのかよ」
『あ?わかるわけねーだろ』
「思い出してみろ…コイツはメシと女の話にだけ食いつきが良かったんだぜ…!?」
『…あぁ、そういえばそうだったな。で?』
「だとすれば、行くところはひとつしかない だろう!!」
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