黒子のバスケ3

□第44Q そんなタマではないだろう
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ーバシュ

「あめーよ!」
伊月がスティールしたボールを火神がその場 からシュートする
それはかなり深く守っている桐皇の陣形から して良い判断だっただろう。

「(火神お得意の)1人アリウープか…でも、それじゃ甘ぇよ」
しかしそれは不発に終わった
火神含め全員がブロックされボールを押し込 めにいけなかったのだ

「やっぱり研究されてるわね、彼女に」
その動きは明らかに初めての対応ではなく、 更に火神の外の確率の悪さもバレていた
そして続けざまに水戸部がフックシューター であることも読まれた
「まずくないすか!?なんか手を打たないと…」
その現状とリコの一言で部員が焦った
「…必要ないわ!人間は成長するのよ。そんな 常識も知らないで知ったかぶってんじゃない わよ!」
しかしリコはその案を蹴ってこのまま行くこ とを宣言した

ーバッ

「日向3Pか!」
秀徳が日向がボールを持ったことで3Pが来るのかと声をあげる
実際、彼のスタイルはマークを外してからの3 Pを打つ形
今日もそればかりだったのだからそう思うの が普通だ
「(かかった!)」
しかし今回はシュートではなく抜いてドリブ ルで切り込むパターンだった
誠凛メンバーは誰もが行けると思っただろう

ーキュッ

「ぐっ…!」
桜井が見事に反応する、その時まで
この試合で初めて見せるパターンでありこん なことをするというデータはない。 しかし桐皇はそれを読んでみせたのだ。

データにない手できた場合、普通なら対応 できない
でも…桃井は集めたデータを分析 してその後どう成長するかも読む
つまり彼女は過去の情報から、未来の情報までもを読みとってみせる一枚も二枚も上手の マネージャーなのだ

「一度戻せ日向!」
伊月がボールを受け取り、パターンを立て直 すがどれも読まれていて出来そうにない
攻めきれない、と思ったとき彼の視界に黒子 がうつった

「そんぐらいやってくると思ったわ。甘いぞ 小娘!」
リコが不敵に笑ったと同時に伊月がもう一度 日向にボールを回した

「このまま行くことにした理由はもう一つあ るわ。もっと単純な…女のカンよ!彼は女のカ ンでも何するかわからない!」
そう言うリコの視線の先にはスクリーンをす る黒子の姿があった

ードゴッ

「っしゃー火神!」
「つか、さすが良い仕事するぜ黒子!」
そのままドリブルした日向は火神にバウンド パスをし、彼がシュートを決めた。 現在の得点、桐皇21-15誠凛

「っつ!……⁉」
士気も点をいれるごとに高まるなかで不穏な 影が着実に忍びよってきていた。

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