短編
□プロミス・キッス
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もうすぐ夏休み。
暑さもピーク間近となり、期末テストも終えた生徒たちはだらけが目立つ。
だらけの目立つ生徒……無論、私も例外ではない。
「…あっつ〜い」
手で扇いだところで風など来ない。
学校に向かう足取りも重く感じる。
それもこれもこの暑さのせいだ。
…大丈夫かな、体調崩してなきゃいいな。
ふと、彼氏の顔が浮かび、体育館を見た。
そういえば、今年もインターハイ行けなかったんだよね。
去年のインターハイのときも、悔しかったはず…。
「まぁ、うじうじしてるよりマシだけどさ…」
病院のベッドで、明るく話してくれた顔を鮮明に思い出させる。
「おはよー」
教室に入ると、何やら後ろのほうが騒がしい。
「…………え?」
私は、目を見張った。
「久しぶりだなぁ!」
「もう大丈夫なの?」
人混みの中から、一際長身の大男の顔がにょきっと出てる。
「て、鉄平!?」
私は、その一際目立つ長身の彼氏の名前を叫んだ。
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